薄毛に、ワカメや良いシャンプーは効く?AGAをめぐる情報はウソだらけ
20代半ばから30代前半まで男性型脱毛症(以下、AGA)に悩み、エビデンス(科学的根拠)のある医療法で薄毛を脱した、花房火月医師(はなふさ皮膚科理事長)。今回は、科学的根拠のない予防法や改善法について「Q&A」方式で話を聞いた。
A1.「昔は『ワカメやコンブなどの海藻を食べると髪が生える、髪が増える』などと言われていましたが、まったくのデタラメ。もはや都市伝説です。
ワカメも含めて、AGAと食べ物は関係ありません。ただし、亜鉛欠乏症や鉄欠乏性貧血によって薄毛になったり、栄養状態が極めて低下して薄毛になること(休止期脱毛症)はあります。男性には少ないのですが、急速に体重を落とすダイエットは危険ということです。
そういう意味で健康的な食生活は大切です。理由は、AGAの治療で毛量を増やすとしても、薬を投与したらあとは自分の代謝の力で増やすことになるからです。毛根の基礎体力を鍛えてあげるためにも、バランスのよい食事で栄養をとりましょう」(花房医師、以下同)
A2.「進行性の脱毛症であるAGAのメカニズムからすれば、『効かない』という結論に至ります。マッサージで血流を活性化できればいいような気がしますが、現時点でエビデンスは見つかっていません。
ツボや鍼治療、女性がエステティックサロンで受けるマッサージと同様、得られるのはリラクゼーション効果のみといえるでしょう。自宅で使用できる頭皮クレンジング剤もエビデンスがなく、効果がないのが実情です」
A3.「そんなことはありません。頭の皮膚の分泌量は、AGAの人でもそうではない人も変わりがないと、専門書籍『脱毛症治療の新戦略』(古江増隆/坪井良治著。中山書店)で明らかにされています。ですので毛穴に詰まった皮脂をキレイにしても、残念ながらAGAは改善されません。
30~40代男性は皮脂の分泌が多く、毛穴に皮脂が詰まっているのが一般的。一度クリーンにしても、すぐにまた詰まってしまうものなのです」
Q1.薄毛に効く食べ物はあるのか?
Q2.頭皮マッサージは薄毛に効くのか?
Q3.なにも対策をせず頭皮が脂っぽいままだと、AGAになりやすいのでは?
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(はなふさ・ひづき)はなふさ皮膚科院長。2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年、三鷹はなふさ皮膚科を開設の後、東京・埼玉で7院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科にも取り組む。著書に『ぜんぶ毛包のせい。』など
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