薄毛治療のクリニックの料金と信頼度は?ボラれない選び方
男性は30代を越えたころから、薄毛の不安におののく人が少なくないだろう。
はなふさ皮膚科理事長の花房火月(はなふさ・ひづき)医師は、「30~40代男性が抱える薄毛の悩みの9割は、男性型脱毛症(以下、AGA)と言っても過言ではありません」(花房医師、以下同)という。
そして、薄毛の兆候がみえる、あるいは薄毛が進行していると自覚した場合は、「民間療法に頼らず、クリニックの門を叩いてください」とのこと。
しかし、クリニックにより価格には大きなバラつきがあるのが現実。どこを選べばいいのかわからないし、高額な商品の購入を勧められたらどうしようという不安もある。適正価格を提示する、良心的なクリニックの基準を知りたい。
花房医師によると、2つの観点から選べばいいという。
①日本皮膚科学会専門医、もしくは日本形成外科医学会専門医の資格を取得している。
「このいずれかの資格を持っていれば、皮膚科や形成外科の分野で、ドクターがAGA専門分野のトレーニングを受けている証拠です。私は管理者という立場なので所持していませんが、当クリニックにも在籍していて治療にあたっています。ホームページで経歴をチェックしてみてください」
②安価すぎるところも高価すぎるところも信用しないほうがいい。つけ薬と飲み薬のコンビネーションで月額1~3万円のレンジで選ぶ。
「先に、現在AGA治療に有効とされている方法は以下だとお話ししました。
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・つけ薬:外用薬(1種類)…ミノキシジル外用薬
・飲み薬:内服薬(2種類)…フィナステリド内服薬(プロペシア)とデュタステリド内服薬(ザガーロ)
・メソセラピー(1種類)…HARG療法(ハーグ療法)=脂肪幹細胞から抽出したタンパク質を冷凍乾燥させたパウダー(AAPEパウダー)を溶解し、頭皮に注入する
・植毛術(2種類)…自毛植毛と人工毛植毛
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そして、ハーグ療法と植毛術は高価なので、最初はつけ薬と飲み薬のコンビネーション治療法をオススメしました。この2種類をミックスした月額の適正価格は、1万~3万円ほどが妥当なラインです。
『月額3000円でAGAの治療ができる』と謳(うた)っている広告を見かけたことがありますが、月額1万円を切る治療価格はありえません。つけ薬と飲み薬を正規のルートで購入すると、1品5000円以上はかかるからです」
「安いからと広告に釣られて来院したら、クリニックが開発したシャンプーか、100万円単位の高額な治療コースを勧められるのがオチでしょう。私は薄毛経験者で『ハゲから(金銭を)むしり取る治療はけしからん!』という主義なので、もし勧誘されたらキッパリと断っていただきたいです。
商品やサービスには適正価格があるので、月額が高額すぎる治療にも疑問を持っています。ボラれている可能性大です」
薄毛治療のAGAクリニックを選ぶ2つの観点
AGA治療の費用は月1万~3万円が適正
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(はなふさ・ひづき)はなふさ皮膚科院長。2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年、三鷹はなふさ皮膚科を開設の後、東京・埼玉で7院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科にも取り組む。著書に『ぜんぶ毛包のせい。』など
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