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薄毛が治った医師の受けた3つの療法。いま有効なAGA治療のすべて

メソセラピー(1種類)…HARG(ハーグ)療法

「メソセラピーは、元は皮膚を若返らせるアンチエイジングの目的で皮膚に注射したことがスタートでした。安全な薬であれば、注射するほうが皮膚内にダイレクトに薬が入って効果的だからです。  AGAに関しては2000年頃から用いられるようになり、今は代表的な治療法。脂肪幹細胞を培養した上澄み液からタンパク質を抽出し、減菌・粉末化したAAPEパウダーを、再溶融して、微細な針で頭皮に注射します。十分な施術実績があり、安全性も認められています」
HARG療法

HARG療法(はなふさ皮膚科 AGA専門サイトより)

植毛術は、自毛と人工毛の2種類

●自毛植毛

「自分の後頭部などから採取した毛を1本ずつ、あるいは数本ずつ株分けし、薄毛が気になる部分に打ち込んでいく方法。80%以上の生着率が報告されていて植毛する範囲にもよりますが、十分に増毛するためには数回の手術が必要になることも。また、AGAの人は男性ホルモンの一種で薄毛を促すジヒドロテストステロンの影響を受けやすいため、増毛後もつけ薬や飲み薬を併用したほうがいいでしょう」

●人工毛植毛

「合成繊維で人工的につくった毛を植毛する方法です。ですが、感染や瘢痕化(潰瘍などが完治せずに、隆起・陥没、色素沈着などを伴う痕となって残ること)のリスクがあります。危険性のほうが上回るので現在、先進国ではほぼ用いられていません」

花房医師の頭髪が半年で元に戻った3つの療法

 では、花房医師が実際に試した療法は?
花房火月

花房火月医師。東京大学医学部附属病院皮膚科を経て、はなふさ皮膚科を開設

飲み薬のフィナステリドと、ミノキシジル外用薬の塗布と、ハーグ療法の3種類です。AGAを改善するためには、単一の治療よりも組み合わせたほうが有効だからです。  治療には2種類あり、『守りの治療』が飲み薬2種類。『攻めの治療』がミノキシジル(つけ薬)とHARG療法の2種類。私の場合は『守り』と『攻め』を同時に行ったせいか、治療開始後3~4ヶ月後ぐらいで効果がみられてきて、半年でほぼ元に戻りました。現在はフィナステリドを少量飲んでいるだけですが、今の毛量をキープできています」
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ハーグ療法はいくらかかる?
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(はなふさ・ひづき)はなふさ皮膚科院長。2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年、三鷹はなふさ皮膚科を開設の後、東京・埼玉で7院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科にも取り組む。著書に『ぜんぶ毛包のせい。』など

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