ハルカさんが事の詳細を知ったのはそれから間もない頃だった。 「新人キャストがM君と飲みに行って、そのままホテルに行ったそうなんです。しかもハルカさんは店のナンバーキャスト。M君にブチ切れた挙句、その新人キャストをクビにしろと店長に直談判したそうなんです。でも店長にはそこまでの権限もないし、ましてや理由が複雑。キャストと黒服が交際することはご法度なので、それを店長が知っていて隠していたことがオーナーに知られるとマズイようでした。 　しかも、新人キャストに手を出したことがバレたらM君の立場も危うい。そうこうしているとハルカさんは『新人をクビにしないなら私が辞める！』とまで言い出して黒服達は大混乱（笑）。結局、系列店に新人を移籍させることでどうにか収めたようですが、M君はハルカさんにだいぶお灸を据えられたようですね。翌週にはM君自慢のサラサラヘアが坊主になっているのを見て悟りましたね……」 　系列店に移籍させられた新人キャストは、その後特に売れることもなくいつの間にか来なくなっていたという。引っ掻き回すだけ引っ掻き回して飛んだまさに「モンスターキャバ嬢」だったということは間違いないようだ……。東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在は夜の街を取材する傍ら、キャバ嬢たちの恋愛模様を調査する。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』（イーストプレス）が発売中。X（旧Twitter）：＠ayumikawano