TikTokとYouTubeの相乗効果
現在、大学4年生のちばしん。就職活動はせず、YouTuberとして食べていくつもりだ
ちばしん:TikTokとYouTubeでは、見ている層や媒体内で“オススメ”としてピックアップされるアルゴリズム(仕組み)が違うんです。TikTokは「15秒くらいなら動画を見てもいいかな」という方が多い感覚。なのでTikTokに投稿するのは約15秒程度にYouTubeの動画を凝縮して短くしたものを投稿しています。そんな特性からか、やはり替え歌の反応が良いですね。
そうして約15秒でつかんだTikTokの視聴者をワンタップでYouTubeに飛べるようにリンクを貼り、YouTubeに誘導する。
ちばしん:TikTokに替え歌を投稿するようになってから、秒単位でYouTubeのチャンネル登録者数が増えて、TikTokの効果を感じています。逆に、TikTokを見て満足してしまう人はYouTubeには流れてきてはくれません。なので、続きが見たいと思ってもらえるように、一部だけとかAメロだけとか工夫しています。
TikTokから流入したユーザーは、もともと続きを求めてYouTubeで動画を見るため、必然的に“
視聴維持率”が高くなる。その結果、YouTubeでオススメ動画になるという相乗効果を生んでいるのだ。
そんなほーみーずが動画制作で最も苦労していることは意外な部分だった。
ちばしん:1本の動画で2人で何役もこなすため、カツラや女装など着替えの回数が多いことが大変です。動画の1~2秒のために小道具を準備したり女装したり。お金もあんまりかけれないので、できるだけ手作りしています。
るか:最近だと……「NO MORE 映画泥棒」のカメラも手作りしたね。
ちばしん:そうそう、なんでも段ボールで手作りして。ある意味ケチなんだけど、全部手作りすることにこだわっていますね。むしろ手作りしているアイテムがコメント欄で話題になったりしてることもあります。文化祭のノリですね。
画像は、YouTubeの動画『コンビニに居るウザい店員20選』より
前述の「コンビニに居るウザい店員20選」では、店員が着用するエプロンがよく見るとタンクトップだったりもする。そんなとこまで買わずに済ませる?な手作り感を楽しんでいる視聴者も多いようだ。緻密に計算しつくされた部分と、手作りの小道具の緩さのバランスも支持される理由かもしれない。
芸能人や企業がYouTubeに参入、一般人にもチャンス!?
いま、多くの芸能人がYouTuberに転身するなど、“媒体”としてYouTubeに注目が集まっている。企業がYouTubeを活用して情報発信する事例も増えてきた。
そんななか、「自分もYouTubeを始めてみたい」「副業として動画で儲けたい!」と考えている人も多いかもしれない。
ちばしん:最近、父親がよく見ているYouTuberの人がいるんですけど、普通のサラリーマンの方なんです。配信しているのは初めて訪れた飲食店での食事の風景を配信する『孤独のグルメ』みたいな内容でした。
だけど登録者数が十何万人もいて、どこに需要があるかわからないなと。今は芸能人もYouTubeに多く参入していますから、逆に素人っぽさや日常の動画がウケると感じています。たとえば「ボッチ大学生」とか、「浪人生の日常」みたいな動画も増えてきています。だから、これからは何気ない需要に気づけた人が成功するのではないでしょうか。
「好きなこと」だけではなく見てくれるファンを増やすための戦略や、需要を見極める目が求められるYouTube。「これだ!」というものが見つかれば、あなたにもチャンスがあるかもしれない。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):
@KA_HO_MA