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経理担当者が退社したら会社が危ない? 300人アンケートでみえた倒産の予兆

 新型コロナウイルスの感染拡大は収まる気配はなく、経済状況の逼迫は拡大の様相を見せている。企業の倒産は右肩上がりで、厳しい舵取りが予想される。窮地に瀕した会社が出す「サイン」とは何か? 予兆を見抜く術は? 会社が傾いた経験者300人アンケートから紐解く。
[会社がヤバい!]を見抜く

写真はイメージです

倒産の予兆は「優秀な社員」にアリ!?

 倒産の予兆は会社を直接指揮する社長の言動だけではなく、社員たちの中にも潜んでいる。過去に勤務先の倒産やリストラを経験した300人を対象に、アンケートを実施。社員や組織の変化についてのアンケートで約半数が挙げた回答は、「優秀な人が辞めていった」(142人)だ(※アンケート詳細は文末参照)。  特定社会保険労務士の内藤秀和氏はこう分析する。 「倒産直前の会社内の悪い空気は、ほとんどの社員が感じ取っています。『経費の圧縮を厳命された』(95人)、『「予算を削れ」など後ろ向きな議題の会議が増えた』(66人)というのは、経営者が従業員を信頼していないということですからね」  揚げ句の果てにそんな状態で、具体的な施策もないまま闇雲に『「売り上げろ」が合言葉になった』(55人)となれば、もう危ない。 「優秀な社員というのは、普段から転職の誘いを受けていたり、将来やりたいことが明確だったりするため、もともと退職のタイミングを計っている気持ちがあるものなんです。それゆえ『会社の様子がおかしくなってきた今が辞めどき』と決断しやすいというわけです」(同)

ナンバー2が顧客を抱えたまま退社も

 また、数々の中小企業を相手に資金繰り・事業再生支援を手がけてきた道家健一氏によれば、中小企業の業務は、会社組織ではなく担当者個人の力量で回している場合が多い。社長が信頼していたナンバー2が、顧客を抱えたまま退社するケースもあるという。 「優秀な社員の離脱は売り上げ減に直結しますが、それ以上に痛いのは、『経理担当者が退社した』(55人)パターン。会社が傾けば、最も会社の数字が見えている経理スタッフが辞めるのは当然。  なにしろ我々が事業立て直しに取り組む際に、経理部署は最優先でケアしますが、それでも辞める人はいるのです。最悪なのは、すべてを任されていた経理担当者が引き継ぎなしで辞めた後、社長が慌てて我々に相談に来るケース。  会社の状況をわかる人が誰もいなくて社内が大混乱に陥るというのは、よくある話です」
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組織の変化にも倒産やリストラの予兆が…
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コロナ氷河期

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