更新日:2022年11月10日 10:29
仕事

コンビニ店員のサービスはどこまで許容範囲? なかには常識外のクレーマーも

商品を購入後、客が仁王立ち状態に

商品 もしも筆者がレジを担当していたら、嫌な予感がした場合は「袋に入れてもいいですか?」とこちらから言う。きっと相手は、「当たり前だろ、入れろよ」とか返すはずだ。それでも「いや、コロナで嫌がる人が多いものですいませんね」と調子よく切り抜けると思う。  だが、矢野さんは疲れていたのか、はたまた集中力が切れていたのか、レジを打ったあとも特に行動は起こさなかった。男性は、自分ではレジ袋に商品を入れようともせず、仁王立ちになったのだ。  気まずい空気が流れる。常識人だったら入れて欲しい場合、「入れてください」とひと言告げればいいだけなのだが、男性は激怒した。 「入れろよ! なんで入れないんだよ!」 「お客様にご自身で入れてもらうことになっています」と矢野さんは返すが「どこにそんなこと書いてあるんだよ! 他の店ではやってくれているぞ!」と怒鳴り散らしている。  矢野さんもブザーを鳴らしてバックヤードで作業をしている店長を呼べばいいのに、それをしなかった。筆者はその光景を防犯カメラで見てイライラした。

男性のクレームは終わらない

 男性は、矢野さんに暴力的な言葉を浴びせてから帰っていった……と思いきや、男は戻ってきた。矢野さんがレジを閉める音を聞き、抗議をしていると勝手に受け取ったらしい。 「なんだこの野郎! 文句あるのか?」 「ないですよ」  その後、矢野さんの名札を見て「矢野か。クレーム入れておくよ」と捨て台詞を残して出ていった。10秒ぐらいしてから、大声を聞いた店長が何事かとやってきた。  もう少し早く気がついてくれたら男性を“出入り禁止”に出来たはずだ。最悪の出来事で、筆者も非常に気分が悪かった。  翌日、男性から本部に「ご意見として聞いてください」とクレームが届いたそうで、SV(スーパーバイザー)が店にやってきた。しかしSVも防犯ビデオを見て、呆れ返っていた。  そしてレジ横に「コロナ禍の為、お客様が基本的に商品を入れてください。助けの必要な方はお申しつけください」というような旨を記載した。  店で働くベテラン女性がこの男性を知っていたようだが、「購入したタオルが臭い」「おにぎりセットの海苔がベトベトしておかしい」など、たびたびクレームを入れてきたらしい。  ちなみに、筆者の主観だが、面倒くさいクレーマーは50~70代の男性がいちばん多いと思う。先日、某コンビニで夜勤の店員が早朝、70代の男性客にいちゃもんをつけられて暴力をふるったという事件が起きた。  暴力はいけないし、店員としてやってはいけないことは当然である。だが、筆者のまわりのコンビニ店員たちは、暴力をふるった店員に同情的な意見が多い。 「人として許せないのはいるよね。やりすぎだと思うけれど、よほどのことだったと思うよ」 <取材・文/浜カツトシ>
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