カーライフ

学生時代に買ったはじめてのクルマ8代目クラウンを今も愛する若者の話

新しいクラウンを買ってもAMGを買っても、はじめてのクラウンを手放さかなったMくん

 この彼が買ったクラウンは、彼が学部生のときはまったく故障せず動いてくれました。お金がない学生向けのエンスー車両として、かなり優秀だったといえるでしょう。  ただ、Mくんが大学院に進学した時、足回りに不具合が発生。これはいわゆる「クラウン病」というやつでした。そのときの彼は、その修理代を払えるぐらいのお金があったため直したらしいのですが、ディーラーではなくガソリンスタンドで整備したとのこと。その整備後、この古いクラウンは壊れず活躍し、友人とのドライブやイベントの設営など、大活躍してくれたそうです。
8代目クラウン

屋内駐車場で大切にされている

 そんなMくんのクラウンですが、彼が社会人になると調子が悪くなってしまいます。直したはずの「クラウン病」も再発したようで、まっすぐ走りません。また、エアコンがまったく効かなくなり、買ったときよりも全体的にやつれた印象となってしまっていたのです。  するとMくんは、新しいクラウンを買ってしまいました。しかし、彼は最初に買ったクラウンを手放しませんでした。  その後もMくんは、新しいクルマを買っても古いクラウンを保管し続け、いつか修理しようと考えていました。新しいクラウンを売却しAMGを購入しても、8代目クラウンを手放すという発想はありませんでした。
8代目クラウン

桜と8代目クラウン。日本の心を感じます

壊れた8代目クラウンはトヨタディーラーだけでは直せず……

 そして、今年ついに彼はダメなところをすべて修理する決断をします。満を持してトヨタディーラーに持っていくと、見積もり結果は80万円程度。ただ、部品の多くが生産終了となっており、持ち込み対応の修理もできないと言われてしまいます。
8代目クラウン

「TOYOTA」エンブレムは剥がれてしまったが、新品パーツが出たので交換

 そこで、一部はトヨタ、一部は他の整備工場という割り振りをし、トヨタではリビルト部品が出るエアコン一式を修理。その他足回り等の整備は、戦前世代の車両の整備を得意とする工場へと依頼しました。  そんなこんなで、ついに8代目クラウンの不具合は全て解決。整備後、そのクラウンに試乗した私は、「2013年当時の状態に戻った」と思いました。  このクラウンは、Mくんが学生のときはお金がかからなかった一方で、彼が社会人になってお金を払えるようになってから「どーん」と請求するといった、魅惑のクルマでもあります。
8代目クラウン

専門工場での整備の様子

 金額面はもちろん、整備工場探しの難易度から考えても、これだけの修理が必要となる場合、「違うクルマを買い直したほうが安い」となるかもしれません。けれどもMくんは、愛情を注いできちんと整備。その結果、今や珍しい極上の8代目クラウンとなったのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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