パクリにスパイウェア疑惑!? お騒がせタイトル『原神』はこんなゲーム
『原神』のストーリーは、数々の世界を旅する双子の兄妹が、ある世界で強大な神と戦って敗れ、生き別れになったところから始まります。兄妹を探すため、主人公(兄と妹のどちらかから選択)は広大なテイワット大陸を探索することに……。
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
フィールドのグラフィックは『ゼルダBotW』と近しいですが、バトルは最大4人のパーティメンバーを次々と入れ替え、それぞれの得意武器と、炎や水など7つの属性(元素)を使い分けて戦っていきます。7つの元素は謎解きにも関わってきます。各地にサブミッションがちりばめられ、やり込み要素も豊富です。
アクションは小気味よく、グラフィックも美麗。このレベルのゲームが基本無料で遊べるのはやはり驚きです(仲間キャラ・武器のガチャ要素はあり)。
実は配信後も、『原神』の騒動は続いています。まずはスパイウェア疑惑。PC版をインストールすると、バックグラウンドで何かのプログラムが起動し、ゲーム終了後も、アンインストールしても裏で動いていることがユーザーから指摘されました。「スパイウェアではないか」とネットでは心配する声が多数……。
miHoYoは、これはアンチチートプログラムであることを明言し、「個人情報の安全性を脅かすと誤認させ、皆様を困惑させてしまうとともに、多くの混乱を招いてしまいましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪して、即座に修正を行っています。
しかし、その後もiOS版でクリップボードの情報を取得している疑惑が浮かびあがるなど、炎上は収まっていません(9月30日現在、miHoYoは早期内部テスト版用のためであり、正式版では削除予定だったとし、「App Storeに該当機能の削除申請を提出中」と発表)。
現在、中国製のスマホやゲーム、アプリなどにはスパイウェアが仕込まれているとされ、トランプ米大統領がファーウェイ、ZTEのスマホ使用禁止令を出したのは記憶に新しいところ。動画共有アプリ『TikTok』もクリップボードの情報を自動で読み込む機能が発覚するなどもあり、米事業売却の話題が連日ニュースとなっていました。
『原神』のアンチチートプログラムのケースは誤解かもしれませんが、中国発のITサービスに不信感がつきまとっていることは確か。そうした不信感をメーカーが払拭しなければ、内容はどうであれ、「不安でプレイするどころではない」というゲームファンが多いでしょう。ますます力をつけてグローバルな展開を進める中国メーカーですが、今回の『原神』に限らず、今後もパクリ疑惑、スパイウェア疑惑が取り沙汰される状況が続きそうです。1
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