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Uber Eats配達員の嘆き、「鎌倉」が1日約4000円しか稼げないワケ

店まで約30分もかかる配達リクエストばかり

鎌倉 翌日、Uber Eatsの営業開始時間である午前9時から稼働をはじめた。飲食店の多い鎌倉駅の前でUber Eatsの配達アプリをオンにする。これだけですぐに配達リクエストを受けられるようになる。さあ、この鎌倉エリアではいったいどのくらい稼げるのか……。  最初のリクエストが入ったのは稼働開始から約30分後のことだった。商品の受け取り店舗は逗子のマクドナルドだ。というか、逗子……! いきなりの隣町である。まじかよ。ふざけんじゃねえぞ、バカ野郎……。心の中でさんざんに文句を言いながら必死に自転車を漕いだ。Uber Eatsの報酬は配達の距離によって決まるのだが、それは店で商品を受け取ってからお客さんのところに届けるまでの距離。店に向かうまでの距離は報酬にならないのである。店に着くまでは約30分もかかった。そして商品を受け取り、それをお客さんのところに届けて最初の配達をなんとか無事に完了した。  またすぐに次のリクエストが入った。受け取り店舗は横須賀の吉野家。またさらに隣町である。また約30分もかけて店に向かって商品を受け取り、それをそこから約10分のお客さんのところに届ける。あまりにも効率が悪すぎる。  そこからはこの横須賀エリアでリクエストが続いた。しかし、そのどれもが店まで約30分もかかるようなものばかり。さらに悪いことにこのあたりは丘陵地が多く、急勾配の坂を何度も上り下りしなくてはならない。配達先の住所はアプリの地図にピンで表示されるのだが、このピンはたまにズレていることがある。長い長い心臓破りの坂を上がり、そこでピンがズレていると気付いたときはあまりの徒労感でその場にへたり込んでしばらく動けなくなってしまった。

綿のように疲れて稼ぎはたったの3659円

 午後4時頃に配達アプリをオフにした。仕事を終えるにはまだ早すぎる時間だが、体力の限界にきてしまったのである。フラフラの体で自転車を漕いでゲストハウスに戻り、シャワーを浴びてすぐにベッドに横になった。  この日の稼ぎは3659円。こんなに綿のように疲れるまで走ってたったのこれだけである。この先もこの程度しか稼げないようであればこの旅の継続はかなり厳しい。台風も近づいてきているようだし(※10月8日執筆時)、これからいったいどうなってしまうのだろう……。 【1日目】 <収入> 0円 <支出> 5日分の宿泊費:6932円 食費:4605円 合計:1万1537円 残金:1万8463円 【2日目】 <収入> 3659円 <支出> 食費:1266円 残金:2万856円 <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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