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新型コロナ、日本人の6~7%が“有意なレベルの抗体”を獲得。終焉までのシナリオは

 阿部サダヲに中川大志、広瀬すず――10月に入ってからも、芸能界から新型コロナウイルスの陽性者が続出。東京都の感染者も10日に249名を記録し、今もメディアを賑わせている。健康への影響もさることながら、コロナ禍はようやく復調の兆しを見せ始めた国内経済にブレーキをかけることになりかねず、こちらも無視できない大問題だ。 新型コロナ禍「終焉までのシナリオ」

新型コロナ禍「終焉までのシナリオ」

「緊急事態宣言が解除されて4か月半。Go Toキャンペーンも本格的に始まった日本は一見すると日常を取り戻しつつあるように見えます。  ところが、8月の完全失業率は3年3か月ぶりに3%の大台に。企業の倒産件数も現状では前年比減で推移していますが、これは単純に資金繰り支援で生き永らえているだけ。景気回復が遅れたら、失業率の増加に遅行して企業倒産が拡大する事態は十分にありえます」  そう語るのは、ゴールドマン・サックスに12年間在籍し、あらゆるマーケットでトレードし続けてきた斎藤岳・クリプタクト社CEOだ。 「そもそも、日本は不況から脱出するのに時間がかかるお国柄。リーマン・ショックのときも米国が2年ほどで復活したのに、日本は元の水準に戻るのに5年を要しました。この前例から判断しているのか、海外のファンドマネジャーは日本株に対してネガティブな印象を持ち始めているようです。  バンク・オブ・アメリカの調査では『日本株への投資を外している』と答えたファンドマネジャーは7月には3%しかいなかったのに、8月には12%に急増。実際、日本の経済指標は欧米に比べて弱い兆候が出ています。  経済を回復させるには、経済活動に制限がかかるような対策を撤廃することが最も効果的。現在、段階的に緩和されつつある渡航制限の全面解禁がいちばん。最終的な判断を下すのは菅首相でしょうが、『命か経済か』という二元論ではなく、適切にコロナの実態評価を行ったうえで物事を決める、という姿勢を打ち出すべきでは」
新型コロナ禍「終焉までのシナリオ」

日本国内のコロナ感染者の推移(棒グラフ)と、日・米・欧州の景気を表す指数の推移。日銀短観は0、ISM製造業景況指数と製造業購買担当者景況指数は50を起点に上にあれば景気拡大、下にあれば減速とされるが、日本の回復の遅さが目立つ

 コロナ対策に力を入れるあまり経済崩壊を招くなら、あまりにバランスを欠く。その意味で、従来とは異なるアプローチで新型コロナの実態に迫った村上康文・東京理科大学教授の研究が明らかにしたデータは、一筋の光明となるかもしれない。そこには、日本人が集団免疫を獲得しつつある“兆候”がハッキリと見て取れるからだ。

少なくとも6~7%の人は“有意なレベルの抗体”を持っている

 集団免疫とは、新型コロナウイルスに対する免疫を持つ人が一定数増えると免疫保持者が「壁」となり、感染が拡大しづらくなる状態のこと。免疫の獲得は抗体を持つことと同義であり、抗体検査を行うことによって過去に感染したことがあるのか否かを、判別することができる。  新型コロナに対して、抗体を保有している人の割合は、東京都だとわずか0.1%。宮城県に至っては0.03%というのがこれまで厚労省が発表してきたデータだった(6月第一週に実施した血液検査)。 「コロナがこれだけ社会に蔓延しているのに、誰も正確なデータをモニタリングできていない。これは大きな問題だと思った私は、厚労省が行ったものよりも正確に抗体保有者を炙り出せるよう検査法を独自開発し、5~8月にかけて362検体を調べました。すると1.9%で陽性反応を得られたのです。  興味深かったのは、『陽性とする基準値には届かなかったけれど、抗体を持っている反応は見られる』人がかなりの割合を占めていたこと。少なくとも6~7%の人は“有意なレベルの抗体”を持っていることがわかったのです」
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ファクターXの正体は「旧型コロナ」の抗体か?
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