カーライフ

街で見かける電動キックボードの正体、海外では時速70kmのマシンも

アメリカでも事故が社会問題に

Luupの電動キックボードの最高時速は、約20km。2時間の充電で40km以上の移動を可能にするという。芝浦を走るmovicleのそれは、時速42km。  先ほどのEon Scooterと比較したらだいぶおとなしいスペックだが、そもそもアメリカ製の爆速スクーターを日本のビル街で走らせるのは現実的ではないと筆者は考える。日米では道幅が異なる上、やはり事故の懸念もある。  このあたり、アメリカでも問題提起されている。ニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事は2019年、電動キックボード合法化に関する法案成立を拒否した。クオモ知事は「速度制限、ヘルメット着用義務と保安装備の徹底、飲酒運転の禁止」を求めていたが、この時の法案にはそれらの項目がなかったという。  クオモ知事に限らず、電動キックボードに懐疑的な地方首長はアメリカにも複数存在する。それを考慮すると、今現在の日本で実施されているような「ヘルメット着用、保安装備の義務」は必然とも言える。

他の車両と共存できるか?

 また、「自動車のドライバーから見た電動キックボード」という視点からも考察しなければならない。  サービス事業者や警察が最も恐れているのは、やはり事故である。日本という国の道路で、果たして電動キックボードと二輪車、四輪車が共存できるのか。もしも重大な事故が発生すれば、実証実験そのものが危うくなるだろう。  だからこそ、実証実験では電動キックボードで走行可能の車道が指定されている。好き勝手に乗り回していいものでは決してない。日本でこの乗り物が「大衆の足」として定着するか否かは未知数だが、もし利用するとしたら安全最優先を心がけたい。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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