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マイナンバーカードの大幅進化で財布が不要に…その根拠とは

スマホだけで電子証明書を表示できるように

検討の方向性

画像は、令和2年11月10日 総務省 情報流通行政局 デジタル企業行動室「検討の方向性」より

 総務省は2022年度まで、スマホにマイナンバーカードの一部機能である電子証明書を搭載できるよう計画している。これが達成されると、何が起こるのか?  今現在の時点でも、マイナンバーカードの電子証明書をスマホに表示することができる。ただしそれは物体としてのマイナンバーカードをスマホで読み取らなければならない。 「電子証明書のスマホ搭載」とは、マイナンバーカードを常備していなくても構わないということだ。まずはAndroid端末への機能搭載を目指すという。  そして最後は、運転免許証の情報をマイナンバーカードのICチップに登録する計画である。これにより住所変更届の簡略化、免許証更新の迅速化、講習のオンライン化を目指す。以上の計画がすべて達成された瞬間、保険証も免許証もスマホに収めることができ、その極致として「物体の免許証を携帯せずに運転可能」という光景が完成する。

「電子化の先」の光景

 こうなると、もはや財布というもの自体が「旧時代の遺物」のような状態になってしまうのではないか。今ですら、財布はだんだんと小さくなっている。長財布に複数人の福澤諭吉を詰める人は少なくなり、代わりにクレジットカードサイズの小さな財布……というよりパスケースで済ませる人が多くなった。  さて、ここからはあくまでも筆者の邪推である。2026年の日本の公道上で、ついうっかり一時停止を無視してパトカーに捕まってしまった。警官がやって来て、その場で切符を切られてしまう。減点と罰金を課せられた。だが、この時代は既に切符自体が電子化され、罰金もその場で電子決済できる……ということになるかもしれない。 白バイ 突飛な邪推だと突っ込まれてしまうだろうか?  しかし罰金を払う時だけ現金を用意しなければならないというのは何とも不合理で、突き詰めればそのあたりも電子化しなければ「免許証一体型マイナンバーカード」の真価は発揮できないのではないか。「切符を切る」という言葉は残るだろうが、実際の行為はいずれデジタル移行されると見るべきだろう。  マイナンバーカードにまつわる諸政策をきっかけに、日本では「GovTech」という単語が注目されるようになった。これは「行政上の手続きに関連するテクノロジー」を指すもので、マイナンバーカードはまさにGovTechの領域内。今後要注目の分野である。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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