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ニューヨークは松本人志を見返せるのか?「M-1」決勝はかつてない乱戦の予感

「ニューヨーク」は松本人志を見返せるのか?

ニューヨーク

ニューヨーク

 一方、2019年M-1に初登場した「ニューヨーク」。  トップバッターという重責を初登場とは思えない落ち着いた漫才でこなしてみせる上々の出来。「今までの漫才で一番楽しくできました」というツッコミ担当屋敷裕政君。上沼氏、立川志らく氏、塙氏、オール巨人氏から高評価のコメントが続く。そんな2人も満足げだった。
屋敷裕政

屋敷裕政(ニューヨーク)

 しかし、最後にコメントを求められた松本氏の言葉で風向きが変わる。「最近、ツッコミの人って笑いながら楽しんでる感じが僕はあまり好きじゃない」と言ったのだ。その瞬間、「最悪や!」と叫んだ屋敷君。今までで一番楽しく出来た漫才を否定され、膝から崩れ落ち「もう無理です」と不貞腐れるのだ。  無言で落ち込むボケ担当嶋佐君に「元気出せや!」と今田氏からツッコミが飛ぶ。この場面は大爆笑。これこそが伝説的な盛り上がりとなった2019年大会を作ったと言っても過言ではない。  
嶋佐和也

嶋佐和也(ニューヨーク)

 この2組から絡みから目が離せないとともに、司会の今田氏の動きにも大注目である。

ユニットコント「おいでやすこが」がM-1に賭す思い

 そして、M-1に新しいトレンドを生む可能性を秘めるのが「おいでやすこが」。  これまでにもアマチュアのファイナリストは存在したが、このコンビは普段、漫才を中心に活動していないピン芸人同士のユニットコンビ。そんな2人が初の決勝進出を果たしたのだ。
おいでやす小田

おいでやす小田(おいでやすこが)

 ピン芸人の頂点を決めるR-1では、今年の王者である「マヂカルラブリー」野田クリスタル君や、昨年王者の「霜降り明星」粗品君のようにコンビの片割れがチャンピオンになることが珍しくなかった。つまり本来、ピン芸人の主戦場であるべき大会でコンビ芸人が躍進、ピン芸人たちは辛酸を舐めてきたわけなのだ。
こがけん

こがけん

 さらに彼らには今大会で一矢報いなければならない深刻な背景がある。冒頭でも触れたとおり、R-1が突然の出場資格変更を行ったことにより、ピン芸人として日本一を目指す機会は奪われてしまった。彼らが目指せる頂点はもはやM-1しか残っていない。  前人未到のユニットコンビでの優勝を掻っ攫うしかないのだ。 「ミルクボーイ」という「ニュースター」が誕生した前回とはまた趣の異なる大会になることは間違いない。本番まであと2週間あまり、どのような戦いが繰り広げられるか、今から楽しみで仕方ない。 <文/ユウキロック 撮影/山川修一>
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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