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世界一うるさい「爆音コンビニ」。誕生の裏には深い背景が

「マスタード」ってどう言うの?

 まず、フランクフルトをオーダーすることができないのだ。爆音の鳴り響くなか、店員さんは下を向いてレジ打ちをしているから、僕たちがフランクフルトのほうを指差してアピールしても気付いてもらえない。大げさに身体を動かしてようやくフランクフルトをオーダーしても、「ケチャップ」を示す方法がわからない。「マスタード」はもっと難しかった。  ペアになった鈴木さんは、マスタードをツーッとかける動作を何度も繰り返している。しかし店員さんはまたケチャップを持ってきてしまう。何度も繰り返して、力技でマスタードにたどり着いた。最近になってZoomで身につけた「OKポーズ」を手で作り、合っていることを伝える。  タバコの番号「27番」は両手の指で数字を示して伝えられたが、店員さんはなぜかそれを持ってきたままこちらをじっと見ている。  年齢確認だ。慌てて財布の中に入っていた運転免許証を提示し、タバコを袋に入れてもらうことができた。声を使っていないはずのに、なぜか喉がカラカラになっていた。

タバコの種類を説明できず、指を差して表現する参加者

湧き上がってくる“申し訳ない気持ち”

 ミッションには「レジ袋はもらわない」と記載されていることを、後から思い出した。もうほとんどレジ袋に入れてもらっているのに、袋を指差し、手を大きく振って「いらない!」と伝える。マスクで表情がよく見えない店員さんは、なんだか怒っているように思えてくる。  なんだかこちらが申し訳なく感じられてくるのだ。聴覚障害のある人々は、日頃からこんな思いを抱えているのかと、愕然とする。  しかも、実はペアの鈴木さんとは少し喋ってしまった。爆音でも、近くで話せばちょっとは聞こえる。そんなズルは彼、彼女らには使えない。  参加者からは「そわそわしてしまいました。相手を困らせているんじゃないか、後ろに並んでるんじゃないかって」との声が聞かれた。

マスクを着けている店員さんが怖かった…

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“他人任せのコミュニケーション”を超えて
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