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世界一うるさい「爆音コンビニ」。誕生の裏には深い背景が

爆音コンビニがオープン

 ドドドドド、と爆音のパンクミュージックが鳴り響く「爆音コンビニ DEAF MART」が、12月4日に限定オープンした。

爆音コンビニ

店内風景

「大変ご迷惑をおかけいたしますが、当店における『声』でのコミュニケーションはご遠慮いただいております」  爆音コンビニの中では、「声」を使うことができない。それは、聴覚障害のある人々が日常的に行なっているコミュニケーションだ。コロナ禍では、相手がマスクを着けていると、口元の動きや表情を読むことが特に困難となった。店名にある「DEAF」とは、聴覚障害のある人を指す。  そんなメッセージを伝えるべく、NPO法人Silent Voiceが主催して東京都練馬区某所に限定オープンしたのが「爆音コンビニ DEAF MART」というわけだ。爆音コンビニでの買い物を体験した筆者が、レポートをお届けする。

いざ、おつかいミッションへ!

参加者に与えられる「おつかいミッション」

「簡単でしょ? ただし、声が使えません」  まず参加者には、「おつかいミッション」と財布が与えられ、聴覚以外の“四感”を使ってクリアするよう指示される。僕たちのミッションは、以下の通りだった。 ・からあげ弁当(箸を2膳もらう、あたためない) ・お茶(ストローはいらない) ・フランクフルト(ケチャップとマスタードを1つずつもらう) ・タバコを買う(年齢を証明する)

ミッションカードは、店員さんに見せてはいけない

 店内を探して、からあげ弁当とお茶をレジに持っていくのはとても簡単だった。「簡単にクリアできてしまってちょっと申し訳ない」とさえ思った。しかし、レジに着いた途端に困りごとが噴出したのだった。
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「マスタード」ってどう言うの?
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