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「2020年一番面白かったドラマ」業界人たちはどの作品を選ぶ?

明暗を分けた警察バディモノ

 最後に、海外ドラマ通でもありアニメや連ドラを手掛ける脚本家C氏にも、脚本基準で“最高と最低”を選んでもらった。
「最高ドラマは『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系、土曜深夜0時12分~)と『MIU404』(TBS系、金曜午後10時~)。どちらも脂がのっている野木亜紀子さん脚本の作品ですね。『コタキ兄弟と四苦八苦』はシンプルに掛け合いが面白かったですし、『MIU404』に関しては傑作の域に達していたと思います。
MIU404

画像:MIU404(TBS公式サイト)

 まず、メインキャラクターの2人が新しかった。バディの刑事モノだと正反対の性格の2人を描きがちなのですが、星野源さん演じる志摩と綾野剛さん演じる伊吹は“冷静と熱血”でありながら、必ずしもそうではないという絶妙な描き方をしていた。各話のストーリーも善悪の判断が難しい社会問題を繊細に描いており、物事の多様性について考えさせられる巧みな脚本でした。間違いなく今年のナンバー1だと思います」

脚本家が答えた「最低ドラマ」は?


「同じく刑事バディモノの『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系、土曜午後10時~)」です。こちらは『MIU404』とは対照的に王道すぎるほどのバディを描いており、すぐに飽きてしまいました。華のある中島健人さんと平野紫耀さんをもっと生かした脚本にできたのでは……と。また、『ケイジとケンジ ~所轄と地検の24時~』(テレビ朝日系、木曜午後9時~)はかなり本格的な刑事&検事モノのドラマだったんですが、東出昌大さんの不倫が判明して数字が低迷したのが残念でしたね」  このように業界関係者に今年の「最高のドラマ」と「最低のドラマ」を選んでもらったが、アナタも今年を振り返りつつ、最高と最低のドラマを選んでみてほしい。  悲惨なコロナ禍でありながら、自宅でドラマを見る習慣が戻ってきたことだけは大きな収穫。そんな今だからこそテレビマンたちは、塞ぎこむ視聴者たちを勇気づけるようなドラマを作って“恩返し”をしてほしいものだ――。<取材・文/木田トウセイ>
テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。
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