仕事

年末年始の宅配便ドライバーの激務事情。繁忙期が終わっても息つく暇もない

汗水ながしているセールスドライバーがいる反面

 催促され時間に追われるドライバーがいる反面、暇をもてあましているドライバーもいる。  オフィスビルが立ち並ぶ商業地域とマンションなどが立ち並ぶ住宅地域のドライバーの待遇は雲泥の差である。  例えば、同じ100個の配達の荷物があっても内容が全然ちがう。配達の軒数がちがうのだ。普段でも商業エリアでは、1つの会社に複数の荷物があるため時間もかからないし、ほぼ100%に近い在宅率のため再配達も少ない。それに夜間配達もほぼない。  それに対して、住宅エリアは一軒の家に対して配達する数はだいたい1、2個。配達個数に比例するように配達軒数も増える。世間で周知されている再配達の問題を抱えているのは、このエリアのドライバーたちだ。  商業エリアは、繁忙期でも個数が増えるだけであって軒先はあまり増えない。労働時間も休日もいつも通りである。年末年始に何のしわ寄せもない。それに年末年始はほとんどの会社は休みだ。よって配達する荷物もほぼない。  出勤するのは、緊急事態対応の人員だけだ。 「不在票の書き方忘れちまったよ」と揶揄するほど社内格差は深刻だ。スムーズな集配で給料もいい商流エリアのドライバー。泥臭い集配で見合わない給料の住宅エリアのドライバー。  その社内格差は離職率となって顕著に現れる。
物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード(荷物・人)だけではなく、ソフト(心と気持ち)の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー!」
1
2
おすすめ記事