コロナと歌舞伎町、正論では生き抜けない“日本一の歓楽街”の今
カネと欲望渦巻く“夜の街”歌舞伎町。緊急事態宣言が発令された4月、終電前にもかかわらず、一番街には静けさが漂っていた。しかし、非日常は長くは続かない。いまだ落ち着かないコロナ禍でも狂乱のムードを取り戻した、“日本一の歓楽街”歌舞伎町の今。
歌舞伎町の夜を生きる当事者は、この街をどう分析するのか。歌舞伎町のホストクラブ経営者、手塚マキ氏に聞いた。
「コロナ禍で歌舞伎町の不道徳なイメージが強まり、如実に街や人に変化が起きました。もちろんウチの店も例外ではない。現場のホストたちは明るく笑顔でやってるように見えたんですけど、最近ブログで仕事を続ける意義、完全に営業を再開することの葛藤を綴っているコがいて。
叩かれても平気なフリをし続けていたんだなと、改めて思いますね」
長年歌舞伎町で過ごす手塚氏は「際立って歌舞伎町の人間が狂っているとは思わない」と語る。
「歌舞伎町にいる人=悪い人と思われがちですが、悪いことをする人がたまたま歌舞伎町に集まってしまうだけ。みんな平気で嘘つくし、貸したカネを返さないのはザラだけど、ひとつの経済圏として、互助で成り立っているのがこの街」
多くのチェーン店やインバウンド向け事業が撤退し、街の経済にも大打撃を与えた一年だった。
「これからは本当の意味での“歌舞伎町ユーザー”を増やしていくステージ。観光客が主力の店じゃなく、10人ぐらいしか入れない小さな店で小さなコミュニティをつくれる人にどんどん来てほしいですね。
10月にソフト・オン・デマンドがオープンした『SODランド』は、きらびやかな外観と違って中の地味さのギャップが面白いし、『カジュアルAV嬢と飲める』とかいう訳のわからない属性システムもある(笑)。そうした価値観の変革を起こせる店が街にできると、もっと骨格が良くなるはず」
正論では生き抜けない歌舞伎町のリアル
歌舞伎町の人間が狂っているとは思わない
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