「同級生に取り残されているのでは」スナックのママが抱える人生への不安
コロナの影響もあってか、近年増え続けている「なんとなく生きづらさ」を感じる人々。その漠然とした不安は夜の世界で生きる者達の間でも蔓延しているという。
話を聞いたのは、東京都下のスナックでママを務めるワカコさん(仮名・38歳)。現在は1人で店の経営に携わるワカコさんだが、オープン当初は妹と2人で切り盛りしていたと話す。
「妹はオープンして1年足らずで店のお客さんと知り合って結婚しました。結婚後もしばらくは手伝ってくれていたのですが、1年前に子供が生まれてからは来ていません。妹は子供を預けてたまには手伝おううかと言ってくれるのですが、どうしても気を遣ってしまいますね。なので、今はアルバイトを2人雇ってシフトを回しています。
でも、バイトの子を雇ってもお客さんと付き合って辞めちゃう子は多いです。私、以前はラウンジでチーママをしていたのですが、その時から面倒見てくれていたお客さんと、私の後輩キャストが付き合うことが多かったんです。知らぬ間に仲を取り持っていることが多くて、私のヘルプに着くと彼氏ができると言われていましたね(笑)」
明るい性格で会話も上手く、生きづらさを感じている様子など微塵もないように見えるワカコさん。漠然とある不安の種とは一体、何なのだろうか。
「よく、色んなところに遊びに行ってそうとお客さんにも言われるんですが、基本的に店以外はほとんど出かけない引きこもりなんです。人混みや満員電車が苦手なので休日に車で買い物に行く以外は出かけません。家も近所なので毎日が店と家の往復のみです。たまに出かけるときは、同業のスナックに付き合いで飲みに行くくらい。
そんな狭い世界の中でしか生きていないせいか、たまに学生時代の同級生に会うと、皆が結婚や子供がいたりして私だけが取り残されているような気持ちになるんです。なので、30歳を過ぎた辺りから仕事を口実にして昔の集まりには出席しないようにしています」
東京でスナックを経営する女性
同級生に取り残されているのでは…という不安
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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