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「同級生に取り残されているのでは」スナックのママが抱える人生への不安

「子供は欲しくない」という彼氏の存在

悩む 筆者も以前、経験をしたことがある、水商売を長く続けるほど感じていく世間とのズレ。特にママという立場となると弱音を吐ける場所も少なくなっていくだろう。だが、ワカコさんには一緒に暮らしている彼氏がいるという。 「彼はお客さんとして、今もたまに店に来てくれます。同棲を始めて3年経っていて彼も結婚の意志はあるそうなのですが、子供は欲しくないと言うんですよね。理由は、バツイチですでに子供が1人いるから。養育費を払っていることもあり、自分の子供は1人でいいとのことです。私は将来的に子供が欲しいと思っているのでそのことを話したら『俺は別れたくない』と言われました。  さらに、『子供がすべてじゃないよ』とまで言われたのですが、そういう問題ではないと。事情を知らない周囲からは『年齢的に子供を作るのなら早いほうがいいよ』と言われるし、心配している親からは不妊治療の病院情報がしょっちゅうメールで送られてきます。周りにアレコレ言われても店のこともあるし、すぐに行動には移せない。でも、このままでは何も状況は変わらないと分かってはいるんですけどね……」  晩婚化が進んでいる現代だが、30代後半で一度も婚歴や出産経験がないことに焦りに感じるという女性は多い。特にワカコさんの場合、経営者としての立場もあり、ゆっくり休むこともできず走り続けなければいけない状態だ。そんな、誰にも吐き出せない「生きづらさ」を感じる女性が、水商売の世界では特に多いのかもしれない。<取材・文/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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