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ユニクロペイ、他の電子決済と何が違う?使ってみて“可能性”に震えた

衣料品倉庫の「鍵」

 日本の接客業は「丁寧過ぎる」と言われているが、たとえるならゲームの初心者向けチュートリアルをプレイの度にやっているようなものだ。  クレカ決済をするにしても「この端末に暗証番号を入力して、確定ボタンを押してください」といちいち説明される。そんなことは遥か昔に心得ているのだが、説明をスキップすることはできない。その煩わしさを完全解消するためには、レジそのものを近代化する必要がある。  ユニクロのレジは、商品を置いただけでそれを認識することができる。そこへユニクロ独自のキャッシュレス決済サービスが導入されたことにより、この店舗は「衣料品倉庫」というような色合いが濃くなっていくだろう。その倉庫の照明が点灯している時間帯で、なおかつ「鍵」を持っていれば自由に中身のものを取り出せる……という具合だ。「鍵」が有効である限り、「衣料品倉庫ユニクロ」でいつでも身支度を整えることができる。  これは従来の「買い物」という概念から脱却したものだ。

ユニクロはもはやインフラ

 ユニクロに限らずセルフ機器については、導入当初はその使い方が分からず店員に質問する人がどうしても相次いでしまう。が、これは時間が解決してくれる問題でもある。あらゆる場所にセルフ機器が導入され、今や消費者の大半は迷わずにこれを操作できるようになった。  UNIQLO Payが生活ツールとして定着する土壌は、既に完成していると言ってもいいだろう。 ユニクロペイ UNIQLO Payは、各店舗で利用できる電子クーポンも発券している。これを上手に使いこなせば、必要な衣類を意外な低価格で入手することも可能だ。  このキャッシュレス決済サービスは、ユニクロ自体がある種のインフラのようになっているからこそ利便性を発揮するものだと筆者は考えている。今後、UNIQLO Payを通じた大型キャンペーン実施の可能性も考えられるため、積極的に利用していきたい。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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