更新日:2021年02月28日 11:07
カーライフ

日産リーフでもホンダeでもない。「今、日本でEVを買うとしたら」で出した結論

海外でもブチ抜かれ…

 海外でも、数年前まで相手にしていなかったテスラに軽々とブチ抜かれ、中国勢に抜かれ、VWやルノーにも抜かれた。中国勢はともかく、欧米のEVはたいてい液冷の温度管理システムを持ち、バッテリーの劣化がグッと遅い(らしい)。少なくともテスラは、これまでの実績でそれを証明している。  新型リーフも、初代よりはだいぶ改善されているらしいけど、実証には長い年月が必要なので、最近になって初代のバッテリー劣化が明るみに出たことで、「リーフはダメ」ということになってしまいました。  日本は新車販売の95%が国産車。EVだって国産じゃなきゃ数は売れない。世界でテスラがどれだけ伸びても、日本ではそうはいかない。昨年、ようやくホンダ初のEV「ホンダe」が出たけど、値段は割高だし国内販売割当はたったの年間1000台で、まったく売る気がない。

日本で一番オススメのモデル

 じゃあ今、日本で買えるEVのなかで、一番オススメのモデルは何か。  それは、プジョーのe-208じゃないだろうか。バッテリー容量50kwhで航続距離339km(WLTCモード)、価格は389万9000円~。ホンダeの35.5kwh/283km/451万円~に比べると、明らかにお買い得だ。テスラモデル3(スタンダードレンジプラス)の55kwh/448km/429万円~とはコスパ的にいい勝負ながら、サイズや手の届きやすさで、e-208の勝ちになる。
オートクラブ

プジョーe-208はチャデモ(CHAdeMO)規格の急速充電器に対応。50分でバッテリー容量の約80%まで充電することができる。ちなみに3kwの普通充電器の場合、50km走行分であれば約3時間、満充電には約18時間かかる。まあ、ガソリン車のようにEVも数分で満タンになるような電池・充電革命が起きることを期待したいです

オートクラブオートクラブ このe-208、実際に乗ってもとっても印象がいい。ガソリン車の208とサイズや外観その他ほとんど同じなので、EVってことを意識せずに乗れて、走ればEV特有の重心の低さや加速の良さ、静かさが気持ちイイ。  ガソリン車の208もとてもイイけど、こっちはこっちで別の魅力がある。ガソリン車との価格差は約100万円だけれど、住む地域によっては補助金が合計100万円近く出るし、自宅で充電すれば電気代も安いので、「3年3万kmでトントンになる計算です」(PSA広報)。  今ヨーロッパでは、EVが売れに売れていて、全世界のバッテリー供給が逼迫している。日本みたいにEVがあんまり売れない国に回すタマはない!みたいな雰囲気もあるなか、こんな戦略的価格でEVを投入したプジョーにビックリだ。
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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