カーライフ

SUVの陰でワインのごとく熟成が進むレクサスのセダンを語る

SUVで食ってるレクサス。それ以外のクルマは、手を抜いているのか?

 子どもにクルマの絵を描かせると、イマドキはミニバンやSUVのようなカタチのクルマを描くらしいです。家にあるクルマはもちろん街で見かけるクルマがミニバンやSUVだからでしょうね。そんな時代でも、自動車メーカーはミニバンやSUV以外のクルマも作っています。あんまり売れないクルマを今でもなぜ作るのでしょうか?
オートクラブ

LEXUS

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

打倒! ドイツ御三家

 SUVブームが全世界を席捲しております! 欧州で4割、北米では5割! 日本でもついに3割に迫ってきました!(軽を除く)  もはや世界中で、SUVが最もポピュラーな乗用車のカタチになったのです!  逆に、もっとも退潮著しいのがセダンです。昨年、「次期クラウンはSUV化される」との報道がありましたが、まさか日本でもっとも堅固な顧客層を持つクラウンが……。それはもうセダンの滅亡に近い衝撃であります!  実を言うと、今でもセダンがそれなりに売れているのは、ドイツ車だけなのです! つまりベンツ、ビーエム、アウディですね。このドイツ御三家だけは、現在でもフォーマルなセダンタイプが威光を維持しているのです。  じゃ、ドイツ御三家に挑み続けている日本の高級ブランド・レクサスはどうかと言うと、昨年(1~10月)の販売台数のうち、約65%がSUV! 国内に限ってはなんと75%!  逆にセダンはGSが販売不振で生産終了! もはやレクサスと言えばSUV!というくらい、SUVに頼っているのでした。 オートクラブ「トヨタはセダンを見捨てたのか?」そう思っても不思議はない状況ですが、このタイミングで最高級セダンのレクサスLSと、ミドルサイズセダンのレクサスISが、大きなマイナーチェンジを受けました。  LSはまだ登場から3年ちょっとなので、フルモデルチェンジの時期じゃないけれど、ISはすでに7年。そこをフルモデルチェンジじゃなくマイナーチェンジで済ませたのは、 「やっぱりセダンを見捨てたから?」と思ってしまうところですが、乗って驚愕しました。 「ものすごくいいクルマになってるやんけ!」
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すさまじい進化のIS
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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