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ANAの遊覧飛行は抽選倍率150倍。空飛ぶプラネタリウムに感動の声も

星空、富士山など趣向を凝らしたフライトも実現

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名古屋小牧空港発着で富士山を眺める遊覧飛行が人気となったフジドリームエアラインズ  撮影/北島幸司

 ANAの実施で JALの動向が注視されていたが、約1か月遅れの9月26日に「空たび 星空フライト」を実現させた。これは、夕刻発の遊覧飛行で、空から星空を眺めようと企画されたものだ。ボーイング767‐300ERという従来からの機体でANAほどの新鮮味はなかったが、機内食の提供もある3時間半の充実したフライト時間を設定した。  実は、FDAフジドリームエアラインズがJALよりも先に遊覧飛行を実現させていた。名古屋小牧空港発着の富士山周遊フライトだ。本邦のエアラインの中では、もともとリゾート地へのチャーター実績が多いFDAは9月20日に実施。抽選倍率が高かったこともあり、翌21日には追加ツアーを実施するなど機動力の高さを見せつけた。  ANAはこの先、2021年3月にもエアバスA380によるチャーターを予定している。2月中旬の段階で、チャーターフライト実施済なのは、定期航空協会に所属する17社のうち10社にも達するのだ。

空飛ぶプラネタリウムを実現させたスターフライヤー

 ここで、異色の遊覧飛行をご紹介しよう。スターフライヤーが10月17日に手掛けたのは、「Starlight Flight produced by Megastar」だ。空気の澄んだ上空で星空観賞をするだけではない。機内に機器を設置して、空飛ぶプラネタリウムにしたのだ。緊急事態に備えて、脱出路を確保するのに機内通路に物を置くことは航空法で禁じられている。それを、単通路のエアバスA320型機でさえ6台ものプラネタリウム機器を設置することで実現させた。窓のシェードを開ければ、実際の星空の見える上空での鑑賞は「感動のひとこと」という体験者の感想だ。
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遊覧飛行は今だけ?
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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