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ANAの遊覧飛行は抽選倍率150倍。空飛ぶプラネタリウムに感動の声も

子供たちの学習も兼ねたフライトが注目を集める

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「ナリタのののりもの大満喫ツアー」の参加者はジェットスタージャパン機材の前で記念撮影 撮影/北島幸司

「空飛ぶ航空教室」と称するチャーターフライトが11月29日に実施された。「向かい風は離陸のサイン」と関西航空少年団の呼びかけに応じる形で、関西空港発着のチャーターフライトを実施したのはピーチアビエーションだ。将来の宇宙飛行士やパイロット、客室乗務員を目指す子供達に夢を届けた。  ジェットスタージャパンが京成グループと共同で12月12日に実施したのは「ナリタののりもの大満喫ツアー」。京成スカイライナー、空港連絡バス、フライトを楽しめるツアーだ。スカイライナーに乗り、バスで車庫に出向いて見学会やバスとの綱引き体験、航空科学博物館を訪ねてから遊覧飛行が実施された、それこそ盛りだくさんなツアーだった。

遊覧飛行はあくまでも一過性のもの

 こうした遊覧飛行は海外でも人気のようだ。オーストラリアのカンタス航空は、2020年10月10日に、ボーイング787‐9型機でシドニーを出発し、グレートバリアリーフ、ウルル・カタジュタ国立公園を巡る8時間半にも及ぶ国内遊覧飛行を実施した。だが、環境への配慮などから、計画はしたものの中止となったケースもあり、この辺りは地域の事情が絡んでいる。  これらの遊覧飛行は、コロナ禍だからという苦肉の集客策であることは言うまでもない。本来の目的である2地点間定期輸送に戻るまでの一過性の商品だ。航空会社にしても、地上にある航空機では収益を生み出さないからであって、飛ばすことによって利益を生む。それでも、フライト実現のために、多くの部署の多くの人手を必要とするこの商品が長く続くとは考えにくい。多くは、自社のファンを増やすための企業の姿勢の表明に他ならない。コロナ禍が明けた将来は実施されることの少ない遊覧飛行チャーターフライトを体験するのは今だけなのかもしれない。<文/北島幸司>
航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing
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