『M-1』4位の錦鯉、売れなくとも芸人を辞めなかった意外なワケ
今や国民的お笑い番組となった『M-1グランプリ』。昨年末、その決勝という大舞台に歴代最年長ファイナリストとして登場し、スターダムへの階段を一気に駆け上り始めた中年漫才コンビが「錦鯉」だ。今、最もノっている“中年の星”に、ブレイクに至るまでの道のりと今後の野望について語ってもらった。
――『M-1』では4位という結果ながらも、会場や視聴者に大きなインパクトを残しました。その後の反響はどうですか?
渡辺:思ってた以上に忙しくなりましたね。今年に入ってから休みという休みはないかも。テレビにもたくさん出演させていただけるようになったんですけど、今までバラエティの対応なんてまったく考えてこなかったので大変です。もっと、若いうちに売れていれば頭が働いたのになぁ……。あと、これも完全に年のせいなんだけど、共演する若いアイドルさんの顔が同じに見えるんですよ(笑)。
長谷川:本当にちょっとしたパニックですよ。用意してないのに急に戦場に送り込まれたみたいな。でもまぁ、そういう経験もまさに「M-1ドリーム」というか。ありがたいですね。
――二人とも40歳を超えてからの“遅咲きのブレイク”ですが、ここまで売れることを信じてやってきた?
長谷川:いやいや。正直、半ばあきらめていましたよ。特に錦鯉の結成以前は何度も「やめどき」という言葉が頭をよぎりましたね。若手の頃は「ゴールデンに出たい」とか「冠番組が欲しい」とか思っていたのが、次第に自分の実力のなさがわかってくる。そうすると目標も下がってきて。だんだんと「どっか地方番組でもいいから」、「BSでもいいから」になって、お笑いへの熱量自体も減っていました。
渡辺:僕も最初は売れようと思ってやってましたけど、どっかで「どうせ売れないんだろうな」という思いはずっとあった。後輩にどんどん抜かれていく悔しさはあったけど、人間って慣れちゃうんですよね。そういうツラさに。
長谷川:辞めなかったのは、ただ辞めるきっかけを逃しただけ。芸人を辞めたって手に職もないわけですから。芸人以外の道が思いつかなかった。
『M-1』の大舞台に彗星の如く現れた中年漫才コンビの道程
何度も「やめどき」という言葉が頭をよぎった

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