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宅配便の置き配サービス。トラブルはなぜ起きる?

荷物を受け取っていないにも関わらず、配達完了。なぜ?

 いつまで経っても届かない荷物。発送元から今日届くとメールが来ているのにおかしい。知らされていた荷物の伝票番号を宅配会社のHPで調べてみると……配達完了となっている。受け取っていないのに配達完了とは、どういうことなのか? 置き配 そういう経験はおありではないであろうか。  今やスマホやPCで伝票番号を叩けば、その荷物が今どのような状況であるかは逐一わかる。  また、商品購入先のEC会社からも発送情報などがメールで送られてくるので安心して荷物を待つことができるはずだ。なのに配達完了という情報になっているにも関わらず、荷物が手元にないということがある。それはなぜか?  考えられるのは、上記であげた置き配や宅配ボックスの際の盗難によるもの。それと同居人が知らずに受け取っていたというもの。他に挙げられるのが、誤配による配達完了と配達員のデータ入力ミスによるものである。  誤配とは、配達員が誤って本来届ける場所に届けずに誤った場所に届けてしまうことである。  データ入力ミスによるものとは、配達員は配達時に専用の端末で情報入力をするのだが、その際誤って「不在持ち戻り」の情報入力を「配達 完了」と入力してしまう。配達員が荷物を持っているにも関わらず配達が終わっていることなっている状態である。  このような場合は、発送元や宅配会社のコールセンターや直接配達員に状況を伝え荷物を届けてもらえばことは済むが、そうでなかった場合は盗難や誤配、稀に配達員による紛失ということになる。しかし、そう思う前に確認してもらいたいことがある。

やはりコミュニケーションは大事

 盗難、誤配、紛失と考える前に家族などの同居している人に荷物を受け取っていないか確認してもらいたい。よく、同居している人が、置き配場所や宅配ボックスなどから荷物をピックアップしているのを分からず、本人ひとり騒ぎ立てているケースもよくある。盗難されたと思ったらまずは一息ついて同居人に確認をしてほしい。  そこからわかるように、どんな状況でも、このコロナ禍でもコミュニケーションは大事である。家族とのコミュニケーションや配達員とのコミュニケーションである。盗難、雨濡れなどのトラブルは場合によっては、配達員の配慮の部分も否定できない。そのような配達員に配慮してもらうためにもコミュニケーションが必要である。  所詮配達員も人の子。感謝の気持ちを言われればちょっとした気遣いも自然に出来てしまう。非対面だからコミュニケーションなんかとれるわけがないと思うかもしれないが、非対面なりのコミュニケーションの取り方がある。 お礼のマスク 手紙によるコミュニケーションやコールセンターやメールを介してのコミュニケーション。面を向かったコミュニケーションが取れなくともコミュニケーションとれる。 「置き配保険」という商品を販売している損害保険会社もあるように世間全体が置き配を定着させようとする動きである。配達員も受取る側にとってもメリットある置き配を定着させるためにも不安を解消する取り組みをもっと進めるべきである。<文/二階堂運人>
物流ライター。ライター業の傍らタクシードライバーとして東京23区内を走り回り、さまざまな人との出会いの中から、世の中の動向や世間のつぶやきなど情報収集し発信する。また、最大手宅配会社に長年宅配ドライバーとして勤務した経験とネットワークを活かし、大手経済誌のWEB版などで宅配関連の記事も執筆する。タクシー・宅配業界の現場視点から、「物」・「人」・「運ぶ」・「届ける」をそれぞれハード(荷物・人)だけではなく、ソフト(心と気持ち)の面を中心に記事を執筆中。ブログ「吾は巷のインタビュアー!」
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