仕事

日本の職場で横行する、不合理な謎ルール。外国人も思わず悲鳴

謎ルールは「世間」の特徴

 番組では日本で働いている8人の外国人をスタジオに呼んだのですが、番組収録が終わらないんじゃないかというぐらい、いっぱい出ました。  アメリカ人女性は、「職場の疑問を言えって言うなら、何時間でも言える!」と興奮しながら悲しがっていました。  みんな、アニメだったり日本文化だったり、いろんな理由で日本が好きで日本に来た外国人なので、好きな日本で「理解できないこと」があると、悲しくて、つらくて、憤慨するのです。  僕が何度も書いているように、こういう「合理的な考え方からだと、どうみても謎なルール」は、「世間」の特徴です。  知り合い、身内が集まった空間は、その関係が強くなればなるほど、「謎ルール」が生まれます。 「謎ルール」は身内だけに通じるもので、「社会」では通用しません。

謎ルールの多い職場は、競争力が低下する?

 当然、「謎ルール」が多い会社は、競争力がどんどん低下します。 「ユニコーン企業」と呼ばれる「評価額が10億ドル以上の未上場のベンチャー企業」は、2021年の調査で世界で528社でした。  このうち、アメリカ228社、中国122社。この二国で、全体の7割弱。日本はなんと、7社しかありません。この数字は韓国よりも少ないです。 「利益をあげる」という最上位の目的のために、「どうしたら働きやすい環境を作るか?」を追求するのは、「世間」ではなく「社会」に生きる外国人からすると、きわめて当然なことです。  だからこそ、そうしない日本の職場が不思議で謎で理解できないと悲鳴をあげるのです。  あ、悲鳴を上げているのは、日本人も同じですね。一つでも「謎ルール」を減らしたいものです。
ドン・キホーテ 笑う! (ドン・キホーテのピアス19)

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