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漢字のとめ、はね、はらい、できないと0点? 教育の本当の目的とは/鴻上尚史

とめ、はね、はらい、できないと0点? 教育の本当の目的とは

ドン・キホーテのピアス 鴻上尚史「西日本新聞」の記事がネットに出ていて、それは、最近、よく話題になる「『とめ、はね、はらい』ができていないと、漢字ドリルは全てやり直し。テストは0点―」という小学校の指導に関するものでした。  読んでいて、なんだか、哀しみが押し寄せてきました。  よく分かってないと「うん。漢字を習う時は、『とめ、はね、はらい』が大切だよ。当たり前だろう」で終わるのですが、実際の答案用紙を見ると「この厳しさはあんまりだ」と思うのです。  この記事では、小学校一年の子供を持つ保護者が、担任の厳しい指導を悩み、実際のテストの写真を載せています。  もうね、この原稿は活字で書いているから紹介が難しいんだけど、「天」という字の右下の「ノ」の字の先が少し離れているだけで減点。ほんのちょっと、外れているだけですよ。 「青」という文字は、下の「月」の右上の角が丸く書いていたから減点。  以前、教師が、こうやって採点した後、「文字を正しく書きましょう」みたいな書き込みをしていて、その文字が「とめ、はね、はらい」がちゃんとできてなかった、なんて笑うしかない写真がツイートされてたことがありました。  これね、「なんのために字を学ぶか?」ということを完全に見失っている指導です。  それは、つまり、「教育とは何か?」という目的の話です。  教育は、学校だけで完結するものではありません。  当たり前ですね。  教育は、学校と社会をつなぐためにあります。ちゃんと勉強するのは、「よりよい社会人になるため」です。「よりよい社会人」になるために必要なことは、「ちゃんと読める字を書く」ことです。  それ以上でも以下でもありません。「きれいな字を書くと評価が上がる。だから、厳しく指導すべきだ」なんて言う人がいますが、そんなのは大きなお世話です。綺麗な字を書くかどうかは、本人が選ぶのです。美意識というのは、押しつけるものではないのです。  相手がストレスなく、ちゃんと読めること。手書きの文字で大切なのは、これだけです。 「天」の「ノ」が少し離れていても、「青」の角が丸くても、ちゃんと読めます。
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学校で満点をとることが、教育の目標になっている
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