最年少賞金女王・大山千広「ボートレースは男女対等に戦える競技」
近年、スポーツ界での女性アスリートの活躍が目覚ましい。国際大会では並み居る強豪国の選手に負けず劣らず、表彰台を勝ち取ったり好成績を収めたりと、競技を問わず女性アスリートの存在に注目が集まっている。それは、競馬や競輪、ボートレースといった公営競技においても同様だ。
競馬界では、藤田菜七子さんが女性騎手の年間最多勝記録を更新し、“菜七子フィーバー”と称された。また、ガールズケイリンでは児玉碧衣さんが女性競輪選手のトップを決めるガールズグランプリで3連覇を達成し、通算獲得賞金が1億円超えするなどその躍進ぶりが関心の的となっている。
まず、ボートレーサーになったきっかけについて伺ったところ、「幼い頃から母親の背中を見て育ったのが大きい」と大山さんは答える。
「私が小さい時から、母親が現役のボートレーサーとして活躍していたんです。プロのアスリートとしてレースに挑む母親の姿に憧れ、ボートレーサーを目指すようになりました。学校へ通っていた際も、周囲の同級生から見ると異質の母親だったこともあり、ちょっとした自慢だったんですよ(笑)」
ボートレースを生業とする母親に惹かれ、自然と将来はボートレーサーを志すようになった大山さん。
高校卒業後は、進学や就職という選択肢を選ばずにボートレース界の道へ進むことを決意。地元福岡にあるボートレーサー養成所へ入所することとなる。
「学生時代のアルバイト経験もほとんどなくて、初めての仕事がボートレーサーだったんです。特に迷いもなく、この道に進もうと考えていました。デビュー当時は“職業”という感じよりも“スポーツ”感覚でボートレースを行っていましたね。ただ、今も昔も変わらないのは『ボートに乗って水上を走るのが大好き』だということ。この気持ちがあるからこそ、楽しく向上心を持ってボートレースに打ち込めていると思います」
ボートレースは女性よりも男性人口の方が多い競技である一方、他の競技とは違って男女混合戦も多く開催されるのが特徴だ。
だが、過酷なレース環境やボートの操縦など、体力や筋力の差で男性優位な状況が生まれやすい競技ゆえ、不安に思ったことはなかったのだろうか。
「ボートレーサー全体で言えば、女性レーサーが占める割合は1割程度です。養成所に入所した時の同期も男性が30人に対し、女性は6人でした。でも、ボートレース最大の特徴としては、あまり男女差関係なく対等にレースができる数少ない競技なんですよ。
確かに体格の違いは拭えないかもしれませんが、その分スキルやテクニックでカバーし、男性に勝つことも可能なんです。私はあまり負けず嫌いではありませんが、男女関係なく同じ土俵でレースできるのはやる気を掻き立てられますし、自分自身に打ち勝つことを意識して、レースに臨んでいます。女性だからと、あまり気負ったことはなかったですね」
そんな中、ボートレース界のニューヒロインとして期待を寄せられているのが大山千広さんだ。
2015年にデビュー後、わずか4年で賞金女王の座を掴み、若干23歳で獲得賞金5600万円を手にした。また、ボートレーサーとしての実力もさることながら、アイドル顔負けのルックスを兼ね備えており、“可愛すぎるボートレーサー”としてメディアへの露出も増えている。今回はボートレーサーになったきっかけや今後の目標について大山さんへ話を伺った。
幼い頃からボートレーサーの母親に憧れていた
男女関係なく同じ土俵で戦えるのがボートレースの魅力
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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