更新日:2021年05月06日 16:30
仕事

「テレワーク実施率」全国ワーストの和歌山で、サテライトオフィス活況の理由

実はサポートが必要なのは「業務時間外」

サテライトオフィス

海を臨む絶好のロケーションに位置するサテライトオフィス

――大平さんはサテライトオフィスに定期的に訪問されてヒヤリングをされているとお伺いしました。かなり細かいところまで企業をサポートされているようですが、実際に白浜町のサテライトオフィスを入った企業からはどのような反応がありましたか? 大平:都市部から地方へ移住される方に最も変化があるのは日常生活です。業務内容は都市部とほとんど同じですが、通勤手段や買い物、食事、休日の過ごし方などの業務時間外についてサポートが必要なことが多くありました。実際に移住されてからは通勤時間が減ったことで余暇が増え、温泉巡りなどの趣味ができたり、ボランティア活動を始めたりといった都市部では挑戦しなかった新しいことを始める方が多くいらっしゃいます。 ――白浜町の取り組みに対して、地元の皆さんの反応はいかがでしたか? 大平:白浜町は観光業が主産業なので、町外県外から人が訪れることに抵抗感はなく、むしろ受け入れ体制が整っていました。また、進出企業の方も積極的に地元へ溶け込もうと活動していただいたので、より身近に感じていただいています。

ITの普及にも一役買う

――そこは観光地である利点が生きて、拒絶反応がなかったのですね。シラコンバレーを推進したことで白浜町にも変化が生まれましたか? 大平:地方の自治体なので「IT」についてまったくわからない方が多く、実際に触れる機会もありませんでした。そんな町に多くの先端企業が集まり、プログラミング教室やボランティア活動などを通じて、IT分野に興味を持つ住民が増えている実感があります。子供たちの将来の選択肢の中にIT企業が含まれるなど、ITに関する考え方に変化がありました。 ――白浜町の子供たちにとって将来の夢が広がったわけですね。今後、白浜町で取り組みたいこともお聞かせください。 大平:今までは観光業が中心となって町の産業を支えてきましたが、IT企業の集積やワーケーションが新たな柱となりつつあります。それぞれが別々の柱といったわけではなく、「観光×ICT」のような相乗効果を生み出せるようにさらになる企業誘致の推進を進めていきたいと考えています。
次のページ
シラコンバレーの今後は?
1
2
3
4
プロレスやエンタメを中心にさまざまなジャンルの記事を執筆。2019年からなんば紅鶴にて「プロレストーキング・ブルース」を開催するほか、ブログnoteなどで情報発信を続ける。著書に『俺達が愛するプロレスラー劇場Vol.1』『俺達が愛するプロレスラー劇場Vol.2』『インディペンデント・ブルース』(Twitterアカウント:@jumpwith44

記事一覧へ
おすすめ記事