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「人生を否定された」コロナ解雇の40代。中途採用73社に応募し、面接はわずか2件/コロナ禍の日本

本格的な正社員解雇の嵐は2021年以降!?

コロナ解雇の衝撃

緊急事態宣言の発令中も、ハローワークには連日長蛇の列が。助成金申請の窓口は最大で180分待ちとなることもあったほか、入場規制がかけられた地域も

 コロナ解雇の深刻さはまだ始まったばかりだ。全国コミュニティ・ユニオン連合会の会長を務める鈴木剛氏は「正社員のコロナ解雇はこれからが本番」と断言する。 「リーマン・ショック時もそうでしたが、経済危機下において先にクビを切られるのは派遣社員や契約社員の非正規雇用者。そこから3~6か月のタイムラグがあって、だんだんと正社員が切られていきます。私たちのユニオンに非正規労働者からの派遣切り・雇い止めの相談が急増したのは4月に入ってから。企業側からすると、現在はまだ非正規労働者を整理している段階です。  それでも採算の目処が立たない。変わらず業績が苦しいとなったとき、いよいよ正社員が整理され始める。コロナ収束の見通しが立たない以上、コロナ解雇の件数は、2020年いっぱい右肩上がりで増え続けると考えられます」
コロナ解雇の衝撃

鈴木剛氏

 経営コンサルタントの中沢光昭氏も、コロナ解雇が一段落し、企業の採用活動が再開するのはまだまだ先だと見る。 「業績が落ち込んだ企業はもちろん、コロナの第2波、第3波を恐れて採用に及び腰になっている企業が採用活動を再開するためには、コロナの収束が絶対条件となります。理論上、完全にコロナ感染を防げるワクチンか、感染してもすぐ治療できる薬が世界中に普及しない限り、コロナ収束とは言えません。  そうした状況になるのは、早くとも2021年以降のはず。それまではどの企業も採用を控え続け、コロナ解雇された人々の苦境は続くのではないかと考えています」  解雇されるも地獄、そこから再就職活動に励むもまた地獄。労働市場に吹き荒れる解雇の嵐の前に、希望の光は今のところゼロということか。世界中で未曾有のパンデミックを引き起こしたウイルス同様、コロナ解雇の病理は相当に根深い。 【経営コンサルタント・中沢光昭氏】 経営コンサルとして活動する傍ら、経営者として破綻会社などの再建・変革実績を多数持つ。著書に『好景気だからあなたはクビになる!』(扶桑社新書)など 【労働運動家・鈴木 剛氏】 全国コミュニティ・ユニオン連合会会長。労働組合が再建した企業等の役員を務めている。著書に『中高年正社員が危ない』(小学館101新書)など <取材・文/週刊SPA!編集部> ※2020年7月5日記事を再掲載。専門家の分析は取材時の状況です
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