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カスハラ客vs.店の壮絶バトル。「悪質な客を排除したら売り上げが増えた」

空前のブームに沸くサウナにまで……

カスハラ 空前のブームに沸くサウナにも、カスハラ客は現れる。元店員(30代・男性)が吐き捨てる。 「ブームの煽りで新たなお客様が急増し、以前では考えられないようなトラブルが多くなりました。当然ですが、サウナでは飲食物の持ち込みは禁止です。  ところが、缶チューハイを飲みながらやってきたり、ハンバーガーやポテトチップスを食べながらやってくる客がいる……。禁止だと伝えられると、酒が入っているからか逆上し、『オレの自由だろう! こっちは客だぞ!』と騒ぐので、スタッフ数人がかりで何とか退店させました。  また、ブームで増えた若いお客様のなかには、グループで飲んでから来店する人もいて、健康上危険なので止めても『オレはシラフだ! 放っておいてくれ』と強引にサウナに入り、案の定、倒れて救急車で搬送されました。ところが後日、その客が店に『倒れたのは店の責任だ!』と怒鳴り込んできた……。さすがに、すぐ警察を呼びましたよ」

カスハラの標的になりやすいファストフード店やコンビニ

 カスハラの標的になりやすいのは、ファストフードなどの飲食店やコンビニなどの小売店だ。イタリアンレストランのホール担当(30代・女性)はこう明かす。 「40代くらいの男性客が『料理に異物が入っていて、口を切った』『気に入ってるシャツが血で汚れたからクリーニング代と、治療費を出せ!』と騒ぎ始めたんです。『どこが切れたのですか?』と尋ねると、その客は洗面所に行き、延々とうがいを続けて、自分で口のなかを傷つけたんでしょうが、わずかに血が出ていました。  すると『この店が好きだから、店のために言っているんだ!』と怒鳴り声は大きくなるばかり……。たまたま男性マネジャーが店に来て、『食事代は結構です。一緒に病院に行きましょう』と説得すると、現金を取れないと諦めたのか、ようやく帰りました」  ファストフード店の店長(30代・男性)も、パラノイアじみたカスハラ客の被害に遭ったという。 「テイクアウトの電話注文を受け付けているのですが、『なぜ電話に出ないんだ!』とすごい剣幕でお客様に怒鳴り込まれ、『昨日電話を15回もかけたのに出なかった。今日、様子を見に来て、店内から電話したが出ようともしなかった!』と怒られた。  調査しますとお引き取り願ったのですが、調べてみると通話記録がない。つまり、電話番号を間違えていたんです。後日、そう伝えると『そんなはずはない!』の一点張りで、また怒り始め、『本部に連絡して大ごとにしてやる』と脅してきたんです」
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安価な店ほど標的に!? 従業員が辞めてしまう
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