更新日:2021年07月01日 14:21
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カスハラ客vs.店の壮絶バトル。「悪質な客を排除したら売り上げが増えた」

安価な店ほど標的に!? 従業員が辞めてしまう

カスハラ なぜ、こうした店がカスハラ被害に遭いやすいのか。甲南大学の阿部真大教授はこう説明する。 「『この時給ならこの程度のサービスしか提供できない』と理解すれば、コンビニやファストフード店で文句は言えないはずです。無論、職業に貴賤はないが、低賃金労働者と高給取りでは、提供するサービスに差がある。ところが、高級店でのカスハラは稀で、安価な店が標的になっている」  カスハラから従業員を守るため、昨年、厚労省は企業向け対応マニュアルの策定に乗り出した。 カスハラ

「悪質な客を排除したら売り上げが増えた」

 また、カスハラに敢然と立ち向かう企業や店も現れ始めている。東京・向島の大衆酒場「かどや」もそんな店の一つだ。店主が話す。 「お金を投げつけられるなんていつものことで、看板を壊されたり、暴力を振るわれて警察を呼ぼうとたら、店の電話を壊されたこともあった。そんなクソ客の腹いせだろうけど、頼んでもいない出前が大量に届いたこともある。従業員に対して『ぶっ殺すぞ!』とかの暴言もザラで、メンタルをやられて辞めてしまうことも多い。  飲食業界は人手不足で、客より従業員のほうが大事なんです。だから、クソ客がごねても『うるせえ!』の一言で終わりにする。ウチみたいな安い店で、酒も大して頼まず長居されたら商売になりません。悪質な客を排除したら客層がよくなり、売り上げが増えたくらいです。クソ客に対して、店は我慢なんかしちゃいけないんですよ」  カスハラ客に屈しない勇気を持った店の登場が待たれる。
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カスハラ客の弱点を突く撃退法とは?
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