恋愛・結婚

実家を救うために結婚した女性が、40代で不倫の恋をしてわかったこと

収入が減り夫はいばらなくなった

 下の子が1歳を過ぎてからは、子どもたちを保育園に預けて彼女も働き始めた。短時間のパートから始まって、フルタイムとなり、今では正社員となっている。  現在、子どもたちは20歳、18歳、17歳。まだまだ学費がかかる。だが夫は50歳を過ぎて出向を余儀なくされ、収入も減る一方だという。 「収入は今、夫と私、とんとんです。最近、夫はもう威張らなくなりました。男の人は収入が減ると威張れなくなるのかもしれませんね」  ずっと家族のためにがんばってきたタエコさん。夫の文句が減り、子どもたちが大きくなったことで、ようやく身の回りを見渡す余裕ができてきた。

少しおしゃれをしてみたら

 21年の結婚生活の間、彼女はずっと節約を心がけてきた。だが自分が正社員になったとき、さすがにもう少し自分にも目配りをしなければと思うようになった。 「仕事上、社外の人に会うことも多くなったので、まずはパーマでもかけてみようか、と。私、パーマひとつかけたことがなかったんです、独身時代から。年下の同僚に聞いて美容院へ行き、彼女につきあってもらって化粧道具も買いました。もう素顔でいられる年齢でもないですからね」  安物ながらスーツも新調、本革の靴も買った。40歳を過ぎてからの初めての“おしゃれ”をしてみたら、周りの反応が激変したという。 ブランドショッピング「タエコさんって美人だったんだねとか、大人の色気があるとか、いろいろ言ってもらってうれしかったですね。そんなこと言われたことなかったから。  仕事もますますがんばらなくちゃと思ったし、週末には飲み会なんかにも出るようになりました。もちろん、子どもたちに迷惑がかからない程度に。でも私がいないと子どもたちは解放されるみたい。大学生の長男が、妹と弟に外でラーメンを奢ったりして、きょうだい仲はよくなっていますね」  そしてタエコさん、仕事で知り合った他社の男性とデートもした。食事だけだが、デートらしいデートは生まれて初めてだった。 「純粋に楽しかった。男性と二人で食事くらいしたっていいんだ、と思いました。実はお酒もいけるほうだったので、行きつけのバーもできたりして。まっすぐ帰りたくない日は、バーで1杯だけ飲んで気分転換をする。そんなことも覚えました」
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もう自分を止められなかった
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