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「バッハ会長、あなたはウソつきだ」本人を直撃した記者が伝えたかったこと

羽田空港では、五輪関係者の動線は完全に分けられていなかった

野党は東京オリンピック総点検合同チームを発足、羽田空港の現地調査を行った

野党は東京オリンピック総点検合同チームを発足、羽田空港の現地調査を行った

 バッハ会長への声掛けのきっかけになったのは、7月6日の野党国会議員による羽田空港の視察だった。五輪総点検ヒアリングチームを発足させた野党議員はすぐに、五輪関係者の来日が本格化していた羽田空港の水際対策を現地でチェック。「選手や大会関係者らが入国する際の空港内の動線は、一般の搭乗客などと完全に分けられている」と語っていた菅首相のウソを暴いた。視察後の会見で長妻昭・元厚労大臣は、安心安全を保証する“バブル方式”(五輪関係者の行動エリアを限定して、一般日本人との接触を回避する)の欠陥をこう説明した。 「(五輪関係者と一般日本人が動線で分けられている)入国の手続きの外を出てしまうと、そこで混じってしまう。一番驚いたのは、トイレやコーヒースタンド。見送りに来ている一般の日本国民と、新規入国者がトイレもコーヒースタンドも同じものを使えてしまうのです」
羽田空港内のコーヒー店でも、五輪関係者と一般日本人が混在していた

羽田空港内のコーヒー店でも、五輪関係者と一般日本人が混在していた

 羽田空港2階の到着ロビーで取材をしていると、バブル方式が破綻していることはすぐに確認できた。長妻氏が問題視していたコーヒー店に英国人報道関係者がいたので、「コーヒー店の利用は禁止されていないのですか?」と声をかけると、「NO!(禁止されていない)」という回答が返って来た。そこで「(店内に)日本人がいて、感染のリスクがある」と指摘したが、「私は知らない。『空港全体がバブル』と日本政府が言っている」と言い張った。  トイレが共用可能であることも確認した。五輪関係者の一団の後をついて行くと、そのうちの一人が駐車場のすぐ近くのトイレに入っていったのでその後をついて行き、隣で用を足すことができることも確認した。

羽田空港の日本人スタッフは感染拡大を危惧していた

羽田空港では、来日した五輪関係者と一般日本人が混在していた

羽田空港では、来日した五輪関係者と一般日本人が混在していた

 そこで、空港内にいた警備員に海外五輪関係者と日本人の混在ぶり(バブル方式の穴)を伝えてみた。するとその警備員は、「危惧しています」と問題があることを認めた。  到着ロビーの1階下のエレベーター前には、「東京2020」と書かれた青いユニフォームを着た案内役の若い女性が立っていた。同じ階のハイヤーやタクシー、バス乗り場へと誘導するガイド役をしていた。彼女に「ワクチンを打ちましたか」と聞くと、「まだです」と答えた。 ――けっこう危ないですよね。 女性ガイド:そうですね。 ――(来日五輪関係者に)感染した人が紛れ込んだりして、接触してしまったら。 女性ガイド:怖いですね。ワクチンの接種券は届いているのですが、7月末から8月頭に予約開始みたいで、それまでは(ワクチン接種は)できないので……。  これはまるで“現代版学徒動員”だ。ワクチン未接種の若者が感染の恐怖に脅えながら、五輪関連業務の最前線に送り込まれていたのだ。 「我々が日本国内にリスクを持ち込むことは絶対にない」と断言したバッハ会長に対して「あなたは嘘つきだ」と叫んだのは、羽田空港での現地取材で“バブル方式”が破綻していることを確認していたからなのだ。筆者は、多くの日本人が不安に思っていること、疑問に思っていることをぶつけ、バッハ会長がそのことについてどう考えているのかを問い質したかった。
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広島訪問のバッハ会長を直撃するため、広島空港へ
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『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』

選挙や五輪を優先して、コロナ感染爆発を招いた小池百合子東京都知事。 都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ!

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