更新日:2021年09月29日 19:25
仕事

「モノを売る」営業は古い。価値が高いのは「買い物アドバイザー」になれる人

「売る人」から「買い物アドバイザー」への意識変化

――ただ、営業はどうしても数字が求められます。そのために日々意識すべきことはどんなことですか? 今井「まずは意識改革でしょうね。僕も営業支援をする際に顧客から『どうしたらもっと売れるようになりますか?』と聞かれますが、『まずは“売る”という発想を捨てましょう』と答えています。購買の主役は、あくまでお客様です。営業がどれだけ素晴らしい提案をしても、最終的に買うと決めるのはお客様だし、買って便利になるのもお客様なんです。  その意味では、営業は『売る人』ではなく『買い物アドバイザー』になるべきなんです。提案の仕方も次のように変えなくてはいけません。 ×「この●●というサービスが売れ筋です。多くの企業に選ばれていて、現在キャン ペーン中です」 ◎「御社の目標である3年後に社員数を2倍にするためには、今から〇〇に取り組む必 要があります。そのための●●です」  こういった提案をするためには、〇〇に入る、お客様にとっての課題を設定する力も必要です。いざ商談に臨むと、『売りたい』という気持ちが先走って商品やサービスの特長ばかり薦めてしまいますが、そうではなく、あくまでお客様視点で買い物をアシストする役割に徹しないといけません」

「どう伝えるか」ではなく「どう伝わるか」

――視点をガラリと変える必要があるわけですね。 今井「営業って言葉を使う仕事なので、言葉ひとつで印象はガラリと変わります。私が以前、とあるプロジェクトの要件整理を行うときに、状況整理のために『とりあえず』と発言したら『私たちは、とりあえずなんて適当な気持ちでやっているのではありません!』と、強めのお叱りを受けたことがありました。『どう伝えるか』ではなく『どう伝わるか』が重要だと気づいたし、それを考えて行動するべきなんです。  商談では相手が理解して想像しやすい言葉を選んだり、難しい言葉を使わずに噛み砕かないと、どんなに商品知識が豊富でも意味がないんです。意図がちゃんと伝わるように“相手のステージに立つ”ことが重要だと思います」 ――それは新人でもベテランでも重要な意識ですね。 今井「営業を通して身につくのは、コミュニケーション能力や人間関係の構築の仕方、交渉の進め方など、他業種でも使い回しやすいもの。どんな仕事をするうえでも汎用性の高いスキルです。そういった『ポータブルスキル』は一生役に立つと思います」 <取材・文/日刊SPA!取材班 写真提供/セレブリックス>
株式会社セレブリックスの執行役員マーケティング本部長として、コーポレートブランディング、事業企画、マーケティング、営業領域を管掌。また、セールスエバンジェリストの肩書で、主に法人営業と新規営業における、セールスモデルの研究、開発、講演を行う。Twitter/@M_imai_CEREBRIX

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