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「人間くさい業界に救われた」新興宗教家庭に育った女性が風俗嬢になったワケ

ドロッとした人間の本音を求めるようになった

――抑圧された反動だったんですかね。 まりてんまりてん:それはすごくあります。ふつうになりたい、という思いが強すぎて、ふつうを一気に飛び越えてしまった感じと言えばいいか。  これもありがちな話なんですが、最初のころはお客さんに指名されると自分が認めてもらえるような気がしてうれしかったですね。  私はセックスが好きとかエロが好き、とかよりも、ピロートークが好きなんです。「今日、会社で」とか「実は、家でさ」とか、あれって男性の本音でしょう。そこに人間くささを感じて居心地がいいな、って思ったんです。  だって、子供のころは長老と言われる人から、ウソくさい正しい建前ばかり聞いて育ちましたから。「これは正しい」「これは間違っている」「その行いは、悪魔の手先がやることだ」「サタンだ」って、すべてが1か0かでしたから。ドロッとした人間の本音というか、白でも黒でもない曖昧な人間くささを求めるようになっていたのかもしれません。

人生に足りなかった部分が埋まっていく感覚があった

まりてん:その意味で、風俗で出会った男性との会話で、ふつうの人って何を考えているんだろうという好奇心が満たされて、私の人生に足りなかった部分が埋まっていく感覚があった気がします。実は、長老的な正しい人もお客さんとして利用されるんですけど、それも風俗で知った人間の面白さですね。私にとって、風俗は、未知との遭遇だったんです。私自身が宇宙人的な立場なんですが……。  私の場合、マイナスからのスタートというか、空っぽの状態だったので、風俗の仕事を通して、人ってこういう感じなんだな、と人間像ができあがって、友だちもできた。だから、風俗の世界が、私の居場所で、できるだけ長くこの業界で生きていきたいな、と考えるようになったのだと思います。 ――風俗で働くまりてんさんは、お母さんや長老にとって、サタンや悪魔の手先という存在になのではないですか? まりてん:そうなんです。私、いま、サタンなんですよ。  実は、子供のころからサタンに憧れていたんです。いま、やっと本物のサタンになれてよかった、という感じですかね。 【まりてん】 愛知県出身。美術大学卒業。新興宗教家庭にて、娯楽や交際を抑制された生活下で幼少期を過ごす。大学入学で一人暮らしを始めると同時に性生活が一気に乱れ、自然な流れで風俗嬢デビュー。都内の広告制作会社への就職を機に上京。いったん風俗を引退するものの、再度性生活が乱れて復帰。2016年11月に池袋にてデリヘルを開業し、約2年半経営者として風俗店の運営に携わる。その後、一度風俗業界の表舞台からは姿を消し大手事業会社にてWebプランナーとして働くも、「やっぱり風俗が大好き」という思いが捨てきれず、2019年12月にデリヘルにて顔出しキャスト復帰。 (聞き手・構成=岡田裕蔵)
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