恋愛・結婚

「やっぱり子どもがほしい」コロナ禍で気づいた本心、離婚の危機に

一緒に住んでいてもひとりの時間が増えた

一人ぼっち 木村さん夫婦は、1年に何度も国内や海外を旅行。好きなアーティストのコンサートやフェスなどの音楽イベントにも足を運んだ。独身時代と変わらぬアクティブさに、まわりの既婚者からは「いいな」と言われることもあったという。  しかし、コロナ禍で外出自粛しなければならなくなると、そのすべてが不可能に。夫は音楽が好きだったことから、そのぶんの時間を楽器演奏などの趣味に費やすようになった。また、休日には旧友を自宅に招いて昼からお酒を飲んだり、徹夜でゲームをしたりすることもある。 「その間、夫から『好きに過ごすから、好きに過ごしていいよ』と言われて。夫は結局、ずっと自分の好きなように生きたいんだと思います。ある意味、こっちも気楽でいいのかもしれないですが、私は特にやりたいこともなくて。  そんな生活が1年半以上も続くと、私って何なんだろうって。自分自身や将来のことを改めて考えるようになったんです」

本当に自分はそれでいいのか疑問

 木村さんは、基本的に“夫の考えに任せる”かたちで生きてきた。夫の助言で正社員を辞め、仕事の融通がききやすいパートに切り替えた。そもそも、結婚の段取りや新婚旅行の行先もそうだった。  彼女が優柔不断な性格のぶん、夫は引っ張ろうとしてくれたのかもしれない。とはいえ、意見を言えば「いや、それだと……」とすぐに論破されてしまう。それならば任せたほうがスムーズに事が運ぶ。  だが、木村さんは「今さら」とは思いながら、コロナ禍で空白の時間が増えるなか、「本当に自分はそれでいいのか?」という疑問がわいてきたのだ。 「だんだん、彼といっしょにいることが憂鬱になってきて。仕事以外の時間もそれぞれの部屋で過ごすことが増えました。気分転換に外出して、友人たちとお茶をしているとき、みんなには子どもがいて、『保育園が休園になって、夫婦どちらが面倒をみるか一悶着あった』などの話をしていました。そのうち、やっぱり、私は子どもがほしいんだなって」  自分の本心に気づくと、チャットツールで流れてくる同僚たちの家族や子どもにまつわる連絡に胸が苦しくなり、羨ましいとさえ思うようになったという。 「夫といるうちは、一生“私には関係のない話”なんだと思うと、悲しくなってきて。年齢的にも、そろそろ出産が難しくなってくるので。離婚をするなら、今しかないのかなって」
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本心を伝えると「ちょっと意味がわからない」
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ライター・編集者。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』(共に彩図社)など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ【最新版】』(辰巳出版)がある。Twitter:@gold_gogogo

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