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「withコロナ」時代の海外旅行、旅の達人たちの見解は…

 例年であれば、この時期は“旅行シーズン”だった。世界中を襲った新型コロナウイルス。世間では「旅行なんて不謹慎」という空気も漂うなか、観光業界は冷え込んだ。  そんななか政府主導で始まった国内旅行の需要喚起策「Go To トラベル」キャンペーン。いま再び感染者数が増加するなか方針は二転三転、泥沼化しながらも7月22日よりスタートした。長期休暇を利用して旅行したい気持ちはあれど、目まぐるしく変化する状況において不安はぬぐいきれない。“withコロナ”における旅行は判断が非常に難しい。  国内に限らず、8月は通常であれば海外に出かけていたという人も多いはずだが、海外旅行については実際どうなのか。
和田虫象氏、嵐よういち氏、丸山ゴンザレス氏

写真左から、和田虫象氏、嵐よういち氏、丸山ゴンザレス氏

 東京都・高円寺のライブハウス「高円寺パンディット」にて、『モンスター・トラベラー 海外ブラックロード大放談』(イースト・プレス)発売記念トークイベントに登場した旅行作家・ジャーナリストの嵐よういち氏、丸山ゴンザレス氏、和田虫象氏の三人に話を聞いた。

コロナ禍での海外旅行は「覚悟が必要」

 これまで定期的に海外まで取材に赴いていたゴンザレス氏でさえ、現在はタイミングを計りかねている様子。 「コロナ禍での動きは、つねに厳しい目を向けられるので、自分の気持ちだけでは動けないですし、そもそも自分や周辺への感染リスクもつきまといます。これまでに自分の安全というリスクを気にしないで取材してきたのとは、種類が違う感じですよね。  だから、いまはできること、特にこれまでにできなかった情報収集を中心に時間を過ごしています」(ゴンザレス氏)  虫象氏も「旅行はまだ先になりそう」と話す。 「すでにトルコやギリシャなど観光国が隔離不要で渡航解禁していますが、帰国後の自主隔離が必要だったり感染者も少なくなく、以前のように気軽に旅できる状況とは程遠い。  旅先でも状況の変化が早く、いきなり閉鎖や休業する施設も多いので、もう少し多くの国で自由に海外旅行できる状況になれば、最新情報を収集しつつ渡航したいと思います。以前だと高かった日程変更可能なオープンチケットが格安で売られるなど、航空会社もコロナ禍に対応した販売方法を模索しているので、それらを活用していきたいですね」(虫象氏)  嵐氏は毎年、世界各国を旅してきたが、それでも「今年の海外旅行は諦めている」という。 「情報が流動的でトラブルも増えてくる。それでも……という人は常にアンテナを張って、ある程度の覚悟を持って旅してくれ。自分は来年5月ぐらいに行ければラッキーかなと考えている」(嵐氏)  そして最後に「こんななかで旅するなんて、ベテラン以外はヤメたほうがいい」と釘を刺した。  旅の達人である彼らでさえコロナ禍ではどうしようもない状態なのだ。たまに旅行する程度の一般人が海外を訪れることは、よっぽどの事情でもなければ、いささか現実的ではないのかもしれない。それでも海外気分を味わいたい場合は……。 「いまは『Googleストリートビュー』で海外気分を堪能してお茶を濁しています」(虫象氏)  虫象氏のように、『Googleストリートビュー』を活用するのも手だろう。
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旅行作家集団「ブラックロード・ファミリー」とは何者か?
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モンスター・トラベラー 海外ブラックロード大放談

「こんな旅人になっちゃいけない! 」過激で怖いもの知らず。旅人界のはぐれ者集団「海外ブラックロード」。バンコク、サンパウロ、NY、ヨハネス、プノンペン、バックパッカー、日本人宿、スラム、メシ、夜遊び。ガイドブックには載せられない旅を、くせ者揃いの旅の仲間と語り尽くす! 大人気ポッドキャスト「海外ブラックロード」10周年記念
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