恋愛・結婚

「やっぱり子どもがほしい」コロナ禍で気づいた本心、離婚の危機に

本心を伝えると「ちょっと意味がわからない」

 離婚を決める前に、まずは夫に正直な気持ちを話してみたらどうか。筆者のそんな問いかけに対し、木村さんが声を詰まらせる。 「まだ離婚うんぬんまでは伝えてませんが……少し前に勇気を出して話してみたんです。やっぱり、私はこう思う、子どもだってほしいんだけどって。  そしたら、『ちょっと意味がわからない。俺がぜんぶ勝手に決めてきたわけじゃないよね。きちんと相談したうえで、別にいいって言ったよね?』みたいなことが強い口調で返ってきました。たしかに、彼の言うとおりではあるのですが……」  じつは本心とは少し違った、という話をすると、夫は不機嫌になり、取り付く島もない様子だった。合理的な性格で、本人としては確認しながら歩を進めてきたつもりだったのだ。  木村さんも、態度が曖昧だったことは自覚している。自分の正直な気持ちを伝えることが苦手だ。ただ、それをわかってほしかったのである。  彼女は溢れ出す涙を止められなかった。さすがの夫も驚き、困惑していたという。 「何度もゴメンと謝ってくれて、あれからすごい気をつかってくれています。ただ、彼の根本的な考えや性格は変わらないと思うので、今後どうするべきか悩んでいるところです」  実家の両親にも相談し、現在はちょっぴり気持ちが落ち着いてきたという。夫は、まさか彼女が離婚まで考えているとは思いもよらないだろうが、お互いにギクシャクした感じが残っているとか。 手紙 たとえコロナ禍が収束しても一度気づいてしまった「本心」まで抑え込むことは難しいのかもしれない。ある日突然、離婚届を突きつけられるなんてことにならないためにも、パートナーの様子は気にかけておきたい。 <取材・文/藤山ムツキ>
ライター・編集者。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』(共に彩図社)など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ【最新版】』(辰巳出版)がある。Twitter:@gold_gogogo
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