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SNSよりも選挙。ツイッターデモで政治は変わらない 吉田照美×前川喜平×寺脇研

選挙で政権交代を目指せ

寺脇研寺脇研(以下、寺脇):ただ、選挙で国の仕組みを変えるところにまで至らないと……。Twitterデモのような動きがいくつかあったとしても、状況は大きく変わらないんじゃないでしょうか。 吉田:そうなんですよね。結局選挙に行かないと変わらない。選挙に行かない人が圧倒的に多いという問題はどう解決していけばいいんでしょうか。 寺脇:そこは、国民全体が「政権は変えられるものなんだ」ということを思い出さなければならないと思います。 吉田:メディアは「今度の選挙では自民党が過半数をとる」というようなことを選挙前に先行して報じたりもします。そのような報道があると、「なんだ、選挙に行っても変わらない。もう決まっているのか」といった気持ちにさせられる。こうした報道もやめた方がいいですよね。

「安倍政治を許さない」だけでは不十分

寺脇:選挙情勢は選挙情勢で伝えるとして、政権が自民党ならこれからの方向性はどうなるか? また、仮に立憲民主党が政権を奪取したらどうなるのか? そうしたことを明確に示していかなければならないと思います。  以前の民主党政権の場合には、選挙前に民主党が政権を獲った場合にはどうなるのかということが喧伝されイメージができていたので、みんなが選挙に行って実際に政権交代が起こったわけです。  しかし、どっちが政権を獲ってもなにも変わらないと思えば誰も選挙に行かない。ですから、新しい提案を盛り込んだ政策を提示していかなければならない。現在の社会をどのようにするのかという提案が明確に出てくれば状況は変わると思います。少なくとも2009年の選挙以降ここ10年以上、選挙の時に明確な打ち出しがあったことはないです。「安倍政治を許さない」だけでは不十分なんです。 ※インタビュー収録は6月30日 前川喜平 1955年、奈良県生まれ。東京大学法学部を卒業後、文部科学省に入省。大臣官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て、2016年6月文部科学事務次官に。その後、省内で起きた再就職等規則違反を受けて退官。著書に『面従腹背』『権力は腐敗する』(ともに毎日新聞出版)などがある。 寺脇研 1952年、福岡県生まれ。東京大学法学部を卒業後、文部科学省に入省。職業教育課長や広島県教育長、大臣官房政策課長などを経て大臣官房審議官に就任。2006年退官後は、映画プロデューサー、評論家として活躍。著書に『権力、価値観、天下り…… 「官僚」がよくわかる本 官僚の実態がわかれば、政治の仕組みがみえてくる!』(アスコム)や『文部科学省 – 「三流官庁」の知られざる素顔』(中央公論新社)など。
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