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「スーパーソニック2021」30代フェスおじさん記者が抱いた“1/3の複雑な感情”

◆ウレタンマスクでの入場は禁止

SUPERSONIC 2021

アルコールなどの持ち込みを防ぐため、手荷物検査は時間をかけて行われた

 酒の提供は一切なし。持ち込みが発覚した場合は一発で退場となる厳戒態勢だ。  マスクの着用も当然必須で、しかも不織布マスクのみ。ウレタンマスクの参加者は、全員に配られたオリジナルのマスクを着用してようやく会場入りできるというげ徹底ぶりだ。  これだけ規制が厳しいと、「フェス参加者とスタッフが揉めるのでは?」と思ったが、記者が観察する限り、そのようなことは一切なかった。  記者の前に並んでいたコーンロウの髪型をした『スト2』に出てくるディージェイ風の25歳前後の男性も、しっかりアプリをダウンロードして、アプリに自身の顔写真を登録していた(その彼女と思われる青山テルマ風のピンク色髪の女性も同様)。

◆50%も埋まらない客席。それでも…

SUPERSONIC 2021

悪天候の影響もあったのか、空席が目立っていた会場

 アリーナ会場に入ると、予約分を含めた販売済みチケットは1日につき約1万3千枚というが、どう考えてもその半分も埋まっていない。  1席ずつ空けられた席につくと、スタッフが常に巡回しており、彼らが首から下げたプラカードには「撮影禁止」「正しいマスク着用」「大声禁止」と、校則が厳格な中高一貫私立校なみの規律がでかでかと書かれている。  ここまで規則が目に入ると、さすがに騒ぐ気分にもなれないというのが本音だ。  昨今、音楽フェスは積極的なSNSへの写真や動画の投稿を推奨しているのに対し、撮影禁止の措置が取られているのは、世間からのいたずらな批判を避けるためだろうと筆者は邪推した。  コロナ禍が続く限り、音楽フェスはみんなに堂々と報告するものではなく、こっそり”密室的”に参加するものになっていくのだろう。  
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フェス特有の楽しみはあったのか?
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