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「スーパーソニック2021」30代フェスおじさん記者が抱いた“1/3の複雑な感情”

◆「SUPER SONIC 2021」にフェス特有の楽しみはあったのか?

SUPERSONIC 2021

コロナ禍が続く中での音楽フェスはアーティストや運営だけでなく、観客もまた手探りで楽しみ方を模索していた

 フェスの楽しみは大きく3つあると記者は考える。  1つは「音楽を楽しむこと」、2つ目は「会場の一体感を楽しむこと」、3つ目は「酒を楽しむこと」。  結論を急げば、このうちなんとか1つ目と2つ目までは楽しむことができたというのが率直な感想だ。  言い換えれば、フェスの楽しさに求めるうち、1/3の要素には複雑な感情を抱いてしまった。  音楽を楽しめた根拠は、やはりスピーカーの音質とアーティストの歌声だ。  声援を送るわけにもいかないので、観客は無言で手拍子をしながら演奏を聴いていたが、午後にCLEAN BANDIT(DJ SET)が登場すると、よく耳にする音楽が続いたということもあり、会場ではジャンプする若者の姿が目立ち始める。ここではじめて会場に連帯が生まれたように感じた。

◆高校生のころのカラオケのような気分

SUPERSONIC 2021

時間が経過するにつれて、次第にフェスらしい盛り上がりも見せる会場

 その後、石野卓球、ALAN WALKER、ZEDDと人気アーティストが登場するとノンアルコールでも気分がのってきた観客に一体感が生まれ始める。  たしかに、高校生のころは駅前のシダックスでお酒を一滴も飲まずとも、「楽園ベイベー」で盛り上がることができた。そう、今日は高校生のころのカラオケのような気分に似ているのだ。  いわゆる酒に酔うのではなく、「音楽に酔う」体験をした参加者たちのボルテージはあがり、17時頃には一定の間隔を空けた状態での満員となり、アリーナ席は入場規制になるまでに。  終演時には、退場規制が行われ、外に出られたのは30分後だったが、これも感染対策のためには仕方ないのだろう。
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今後のフェスのロールモデルになる可能性
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