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ユニクロ初のカフェ「UNIQLO COFFEE」に、ちょっと物足りなさを感じた理由

コーヒーは爽やかな味わい。クッキーとの相性も◎

 そして、提供されたコーヒーとクッキーを並べてみました。
ゲイシャ種ハンドドリップコーヒーと銀座ウエスト バタークッキー。合わせて650円

ゲイシャ種ハンドドリップコーヒーと銀座ウエスト バタークッキー。合わせて650円

 コーヒーを飲んでみたところ、酸味を感じる爽やかな風味が印象的で、後味が実に軽やか。香り高いバタークッキーとの相性も良く、コンビニやハンバーガー店で手軽に買える100円台コーヒーとは一線を画する上質さが明らかでした。  また、コーヒーのお供として使われる砂糖やミルクを見てみると、限りなくシンプルで最低限のものが簡素にそろっています。
砂糖やミルクは、シンプルを追求したデザインとミニマム感

砂糖やミルクは、シンプルを追求したデザインとミニマム感

 ウエストのクッキーはどこか懐かしい空気が漂います。海外客の反応は気になるところですが、日本在住の老若男女多くの人々が気に入りそうな“昔ながらのずっと変わらないバタークッキー”を味わうことができます。
カウンターも至ってシンプル

カウンターも至ってシンプル

 店内の雰囲気、カウンターでのサービス、コーヒーやクッキーの存在感を含めて、トータルとして「Less is More(≒少ないほうが豊かである)」を想起させる体験となりました。そして、最後に考えてみたいことがあります。果たしてこのコーヒーは、多くの人々に受け入れられて成功するのか? という点です。

ユニクロコーヒーは時代を牽引するアイコンになりうるか!?

 やりすぎ感がないこと。シンプルで上質であること。華美過ぎることなく、丁寧であること。私は今回のユニクロコーヒーでの体験を通し、これからの時代を快適に過ごしていくためのヒントや気付きをたくさんもらったような気がします。ただし、すべてにおいて大満足したということでもありません。  シングルオリジンのコーヒー豆で丁寧に淹れてもらえるハンドドリップコーヒーが、1杯450円。希少なスペシャリティコーヒーなのにこの値段という理解もできますが、1杯のブラックコーヒーを飲むことを考えると、決して安いわけではありません。高級コーヒーを紙コップで出すからこの値段なのだという解釈も心地よくはありません。  重視したいのは、このコーヒーを飲む体験が、心をほっこり温めてくれるか? という点です。フタやスリーブなどの形状や素材、存在感はもっとずば抜けて先駆け感やユニークさであってもいいのかも、と感じたのです。1杯のコーヒーを手にしたとき、ユニクロのぬくもりや楽しいアイディアを感じながら、最終的にお客の笑顔が溢れるのか?ということが気になるところでした。  他フロアのインスタレーションやテクノロジーの進化が最先端なだけに、このカフェが今後のライフスタイルを考える上で、“快適さのヒントになるようなアイコン”としては若干弱いかなと、辛口ながらに思いました。  とにかく、これからの生き方について、ふと考えるきっかけを与えてくれる素晴らしいカフェであることは間違いありません。コロナ禍ではありますが、気になる方はチェックしてみてくださいね! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <取材・文・写真/食文化研究家 スギアカツキ> ※女子SPA!より
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