更新日:2021年10月12日 12:20
エンタメ

安住アナ・香川照之の朝番組『THE TIME,』7つのツッコミどころ。昭和か!?

その4:気象予報士17人がセールスポイント?

 出演者が多いので、彼らの名前や、おはようございますを幾度となく聞かされることになる。出ているのかわからない出演者もいる。全国の朝をリレー中継するので、地方局のアナウンサーも多数登場する。  極め付けが気象予報士だ。なんと17人もいるという。各局では気象予報士を番組の顔として大切にし、視聴者は親しんでいくものだが、『ザ・タイム』では17人が、代わる代わる登場するのだ。もう覚えられない。覚える気もない。  ところが番組は、さらに局アナ2人を気象予報士試験に挑戦させるという。気象予報士19人体制にするつもりなのだろうか? しかも、合否通知を番組内でやってみせた。「2人とも東京大学卒業のアナウンサーで優秀です。さてどうでしょうか?」。ここでお約束のCMとなり、CM明けに不合格が発表された。もう報道番組どころか、情報番組でもなく、バラエティ番組である。  さらに、スタジオには鳩時計のような小窓がいくつもついた小屋があり、一定の時刻になるとそこから小さな鳥の人形が飛び出して時刻を伝えるだけでなく、出演者と一芝居をする。シマエナガという鳥らしい。人形だけかと思いきや、アニメバージョンもある。1匹かと思えばファミリーなので、いろいろなシマエナガが登場する。はっきり言う。多すぎだよ!

その5:番組のコーナーがバラバラで統一感に欠ける

 出演者も人形も多いなと思っていたらスタッフも多かった。10月3日のTBSラジオ「安住伸一郎の日曜天国」で、安住アナが愚痴混じりにこう語った。「スタッフは総勢280名もいるんですよ」。その数に驚いた。  実は筆者も昔、東京のキー局の朝番組(5時間もある)にレギュラー出演していたことがあるが、これほどの人数はいなかった。もちろん全員が毎日担当するわけではないだろうが、それにしても多い。  この280人の陣容に対して、安住アナによると、半分は前の「あさチャン!」スタッフ、4分の1はバラエティ番組など他番組のスタッフ、4分の1が新スタッフ。安住アナも、全員の名前は覚えられないし、どんな仕事をしているのかよく知らないスタッフもいる、とこぼしていたほどだ。  こうして、背景がバラバラの人が、それぞれのコーナーを作るのだ。番組のテイストは一貫しない。もちろん総合演出もいるのだろうが、番組全体に共通した空気感、テイストが生まれるには相当の時間がかかるだろう。ここまで言ってエンドロールを見ていたら、かつて世話になった人の名前を散見した。頑張ってほしい(笑)。
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あふれる昭和感
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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