更新日:2021年10月12日 12:20
エンタメ

安住アナ・香川照之の朝番組『THE TIME,』7つのツッコミどころ。昭和か!?

その6:じっくり座って見ないと役に立たない

 テイストがバラバラでも、小気味よくいろんな情報を朝の忙しい時間に伝えてくれれば、それはそれで構わないと思う。多くの番組が、画面を見続けなくても、短いナレーションをきくだけでも情報が伝わるように工夫しているものだ。  ところが、この朝番組の定型と「ザ・タイム」の作り方は違う。  筆者が観た日は、最初にSNSでバズったワードを10個紹介するコーナーがあった。「これって何かわかりますか?」などクイズ形式のようなやりとりがあり、結局2つの内容を伝えるのに5分弱かかっていた。おせーなと思うと、メインのもの項目は後ほど紹介します、となる。この時間にしか番組を見られない人には謎のまま終わる。  メインのニュースについても、例えばフジテレビの『めざましテレビ』なら冒頭で、メインニュース、スポーツ、芸能などの項目を一気に見せ短くテンポよくとりあえず紹介する。テレビ朝日『グッドモーニング』も朝6時からの2分弱で主なニュースを短くビシッと伝える。その後も同じニュースを短く繰り返し、時には解説付きで深く紹介する構成なので、視聴者が見られる時間に番組の一部を切り取るだけで十分情報が入ってくる。  ところが「ザ・タイム」はメインニュースの時間になると、これから30分で14のニュースをお伝えしますと言うだけで、項目は出るものの、中身はわからない。重要な項目から始まるとも限らない。ゆっくり画面の前に座って、じっくり見ることができる人に向く構成なのだ。

その7:昭和か!

 TBSのこの時間の情報報道番組は、時代をリードしてきた。1970年代の『おはよう700』『おはよう720』で使われた洋楽のカバー曲、「カントリーロード」や「ビューティフルサンデー」は、日本で大ヒットしたほどだ。  それがいつの間にか、他局の朝番組にもっていかれてしまった。数々の朝番組を思い出しながら、『ザ・タイム』は、なんでいまピアノや鳩時計なんだろう?と考えていた。浮かんだキーワードはまさかの「昭和」。昭和の朝番組には、エレクトーンの生演奏があったし、ぬいぐるみの登場もあった(今や、ぬいぐるみは、日本テレビの天気予報の「そらジロー」ぐらいだが)。 『ザ・タイム』の7時は、「7時のうた!今日もいい日に」というのんびりした歌で始まるのだが、まさか、これをかつての朝番組のようにヒットさせようと思ってるのだろうか。ピアノ、人形、歌…少しひねってはいるが昭和テイストてんこ盛り朝番組なのだ。そういえば、番組のテーマ曲も懐かしい昭和の大ヒットソング、ゴダイゴの「銀河鉄道999」である。
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スター・安住アナを成功させてほしい
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経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『つみたてよりも個別株! 新NISAこの10銘柄を買いなさい!』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』、『安心・安全・確実な投資の教科書』など多数 twitter:@SatoHaruhiko

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