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SNSの誹謗中傷に悩むアイドルたち「ファンの顔を見て“あの人かな?”」

ライブ会場で疑心暗鬼に「あの人が書いているのかな?」

 るるさんは気丈に振る舞っていたというが、徐々にアイドル活動に支障が出てきてしまう。 「私なんて動員も少ない地下アイドルだったんですが、もうライブに出るのが怖くなって。歌いながらファンの顔を見て『あの人が書いてるのかな?』って思ったり、他のグループのファンであろう人の顔を見て『蹴落とすために書いてるのかな?』って疑ったり。楽屋でも他のアイドルの子に対して『あの子かな?』『それともあの子が書いているのかな?』と疑心暗鬼が止まらなくなってしまって」  デビューして半年が過ぎた頃、るるさんはユニットを脱退してしまう。辞めてしまうほどに誹謗中傷のコメントに悩まされたわけだが、実際は褒めてくれるコメントの方が多かったという。 「全体的に見れば、誹謗中傷は1割に満たない程度で、ほとんどが応援してくれてるコメントだった。不思議と99回の『可愛い』より1回の『ブス』の方が心に刺さってしまうんですよね。気にしなければいいのかもしれないけど、私には無理でした」

一般人も他人事ではない

SNS SNSの誹謗中傷に悩まされるのは、芸能人に限った話ではない。一般人でもTwitterやInstagramで発信する時代。東京都内の会社に勤める麻美さん(29歳・仮名)もそのひとりだ。彼女はダイエットの記録をTwitterで報告していたというが……。 「“誰かに見てほしい”というよりは“自分用のメモ”として。あとは、“サボらないため”にやっていました。全くバズりたいとか目立ちたいとかはなかったんです」  顔出しはせず、あくまでダイエットの記録としてアカウントを運用していた。だが数か月が経った頃、変なフォロワーやリプライが増えてきたんだとか。 「ちょうど7キロぐらい痩せた頃だったかな。普段は励ましてくれたり、褒めてくれたりするコメントがほとんどだったのに、急にアンチコメントが湧き出したんです。たとえば、ウエストのビフォー・アフターを載せたら『前のほうが男ウケ良さそうですね』『まだまだクビレにはほど遠い』みたいな」  それは、だんだんエスカレートしていく。 「目標体重とサイズに到達する直前ぐらいで『顔写ってないけどブス』『身体は痩せたけど顔がでかいから残念ですね』『こんな写真載せて美容家気取りかよ』などと書かれました。ブロックしてもまた同じような文体の人が現れて、いたちごっこ状態でした」
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「絶対にバレるはずがない」と思っているのだろうか?
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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