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おかもとまりが芸能人への誹謗中傷に思うこと「心を刃物で刺しているのと同じ」

 SNSをはじめ、誹謗中傷に悩まされる芸能人が後を絶たない。タレントの中川翔子さん(36歳)はインターネット掲示板で「自殺しろ」「硫酸をかけてやる」などのコメントを書き込まれ、なかには殺害予告と受け取れるものまであったという。  中川さんは警察に相談、都内に住む20代の男性が侮辱と脅迫の疑いで書類送検された。10月7日、所属事務所を通じて<ネットで攻撃されても、「芸能人だから」「有名人だから」という理由で我慢し、泣き寝入りするのも違うと、私は考えています>とコメントを発表した。 「影響力のある中川翔子さんの勇気ある行動は立派だと思います。芸能人だからといって、もう見て見ぬフリはできない。SNSでの誹謗中傷は犯罪として起訴される可能性だってあるんです」  こう話すのは、元ものまねタレントで現在はクリエイター・実業家として活動するおかもとまりさん(31歳)。
おかもとまり

SNSで誹謗中傷された過去があるおかもとまりさん(撮影/藤井厚年)

 彼女自身もプライベートを脅かすような誹謗中傷に苦しめられた。そして、書き込んでいた相手を発信者情報開示請求で特定、直接対面した過去がある。今回は、一般人による芸能人に対する誹謗中傷が増えた背景や、今後の流れについて見解をうかがった。

“有名税”として知らないフリをするのが暗黙のルールだった

 おかもとさんが、芸能人やタレントを安易に叩いてもいいという風潮が生まれていった理由を説明する。そもそも芸能界には、いわゆる“有名税”という考え方が根付いており、以前は泣き寝入りせざるをえなかったという。 「タレントはアンチコメントに気づかないフリをするのが暗黙のルールでした。ひどいことを書かれているのを知っていても“表に出ている人の宿命”として、ほとんどの人が我慢して受け入れていました」  かつて、おかもとさんは某テレビ番組に出演した際、制作サイドの編集と演出によって思わぬかたちで炎上してしまい、誹謗中傷を受けた。そのときは「仕方がない」と堪えたそうだが、その後、状況は変わっていった。  SNSでコメントが盛り上がる=知名度アップにもつながる。そこで、誹謗中傷を逆手にとって有名になろうとする“炎上商法”の登場だ。

“炎上商法”の登場で「芸能人は誹謗中傷してもいい」流れが加速

ネット書き込み

※写真はイメージです(以下同)

「誹謗中傷を見て見ぬフリどころか、いわゆる炎上商法で注目を集めようとするタレントさんがある時期から急激に増えたんです。意図的に仕組んだ炎上なのですが、実際に知名度を上げて、活躍の場をうまく広げていく方は、さすがだなと思いました」  そんな流れから、次第に誹謗中傷する側の意識も変わってくる。 「炎上商法で売れたいと考えるタレントさんが増えてきた反面、誹謗中傷することに対して罪悪感が薄れていったように感じます。バッシングされることで、むしろ嬉しいと考える人は一部に過ぎません。にもかかわらず、『芸能人には何を言っても大丈夫』と勘違いして、好き勝手に書き込む人が増えていったように感じます」  おかもとさんもネット上のプライベートに関する誹謗中傷に悩まされ、弁護士に依頼して二度の情報開示請求を行っている。書き込んでいた張本人のひとりは縁もゆかりもない人物だったという。
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なぜかプライベートが知られている恐怖
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